「高度専門職1号」の在留資格は、高度の専門的な能力を有する外国人材の受入れの促進のために設けられた在留資格です。
1.「高度専門職」の概要
2.「高度専門職」の該当範囲
(1)高度専門職1号
高度の専門的な能力を有する人材として法務省令で定める基準に適合する者が行う次の①から③までのいずれかに該当する活動であって、日本の学術研究又は経済の発展に寄与することが見込まれるもの
① 法務大臣が指定する日本の公私の機関との契約に基づいて研究、研究の指導もしくは教育をする活動又はその活動と併せてその活動と関連する事業を自ら経営し若しくはその機関以外の日本の公私の機関との契約に基づいて研究、研究の指導若しくは教育をする活動
② 法務大臣が指定する日本の公私の機関との契約に基づいて自然科学もしくは人文科学の分野に属する知識もしくは技術を要する業務に従事する活動又はその活動と併せてその活動と関連する事業を自ら経営する活動
③ 法務大臣が指定する日本の公私の機関において貿易その他の事業の経営を行いもしくはその事業の管理に従事する活動又はその活動と併せてその活動と関連する事業を自ら経営する活動
(2)高度専門職2号
前号に掲げる活動を行った者であって、その在留が日本の利益に資するものとして法務省令で定める基準に適合するものが行う次に掲げる活動
① 日本の公私の機関との契約に基づいて研究、研究の指導又は教育をする活動
② 日本の公私の機関との契約に基づいて自然科学又は人文科学の分野に属する知識又は技術を要する業務に従事する活動
③ 日本の公私の機関において貿易その他の事業の経営を行い又はその事業の管理に従事する活動
④ ①から④までのいずれかの活動と併せて行う一の表の教授の項から報道の項までの下欄に掲げる活動又はこの表の法律・会計業務の項、医療の項、教育の項、技術・人文知識・国際業務の項、介護の項、興行の項若しくは技能の項の下顎に掲げる活動(①から④までのいずれかに該当する活動を除きます)
3.「高度専門職」の基準
高度専門職1号
申請人が出入国管理及び難民認定法別表第1の2の表の高度専門職の項の下欄の基準を定める省令(平成26年法務省令第37号)第1条第1項に掲げる基準に適合することのほか、次の各号のいずれにも該当すること。
第1号次のいずれかに該当すること。
① 日本において行おうとする活動が法別表第1の1の表の「教授」の項から「報道」の項までの下欄に掲げる活動のいずれかに該当すること。
② 日本において行おうとする活動が法別表第1の2の表の「経営・管理」の項から「技能」の項までの下欄に掲げる活動のいずれかに該当し、かつ、この表のその活動の項の下欄に掲げる基準に適合すること。
第2号
日本において行おうとする活動が日本の産業及び国民生活に与える影響等の観点から相当でないと認める場合でないこと。
参考:出入国管理及び難民認定法別表第1の2の表の高度専門職の項の下欄の基準を定める省令
第1条第1項本文、第2項
第1項
出入国管理及び難民認定法(以下「法」という。)別表第1の2の表の高度専門職の項の下欄第1号の基準は、同号に掲げる活動を行う外国人が、法第3章第1節若しくは第2節の規定による上陸許可の証印若しくは許可(在留資格の決定を伴うものに限ります)、法第4章第2節の規定による許可又は法第50条第1項若しくは第61条の2の2第2項の規定による許可(以下「第1号許可等」といいます。)を受ける時点において、次の各号のいずれかに該当することとする。
第2項
法第6条第2項、第20条第2項、第21条第2項若しくは第22条の2第2項(法第22条の3において準用する場合を含む。)の規定による申請又は法第49条第3項の規定による裁決の時点において前項各号のいずれかに該当する者は、その申請又はその裁決に係る第1号許可等を受ける時点においてその各号に該当するものとみなす。
第1条第1項第1号(高度専門職1号イ)
法別表第一の二の表の高度専門職の項の下相第一号イに掲げる活動を行う外国人であって、次の表の上相に掲げる項目に係る同表の中相に掲げる基準(年収の項にあっては、その時点におけるその外国人の年齢が30歳未満のときは同項のイから卜まで、30歳以上35歳未満のときは同項のイからへまで、35歳以上40歳未満のときは同項のイからホまで、40歳以上のときは同項のイから八までに掲げる基準)に応じ、同表の下欄に掲げる点数を合計したものが70点以上であること。
第1条第1項第2号(高度専門職1号ロ)
法別表第一の二の表の高度専門職の項の下欄第一号ロに掲げる活動を行う外国人であって、次の表の上欄に掲げる項目に係る同表の中欄に掲げる基準(年収の項にあっては、その時点におけるその外国人の年齢が30歳未満のときは同項のイから卜まで、30歳以上35歳未満のときは同項のイからへまで、35歳以上40未満のときは同項のイからホまで、40歳以上のときは同項のイから八までに掲げる基準)に応じ、同表の下欄に掲げる点数を合計したものが70点以上であり、かつ、契約機関及び外国所属機関から受ける報酬の年額の合計が300万円以上であること。
第1条第1項第3号(高度専門職1号ハ)
法別表第1の2の表の高度専門職の項の下欄第一号八に掲げる活動を行う外国人であって、次の表の上欄に掲げる項目に係る同表の中欄に掲げる基準に応じ、同表の下欄に掲げる点数を合計したものが70点以上であり、かつ、活動機関(法別表第1の2の表の高度専門職の項の下欄第1号ハに掲げる活動を行う日本の公私の機関をいう。以下同じ。)及び外国所属機関(外国の公私の機関の職員がその機関から転勤して活動機関に受け入れられる場合におけるその外国の公私の機関をいう。以下この号及び次条第1項第1号ハにおいて同じ。)から受ける報酬の年額の合計が300万円以であること。
高度専門職2号
第一条
出入国管理及び難民認定法第20条の2第2項の基準(高度専門職の在留資格(法別表第1の2の表の高度専門職の項の下欄第2号に係るものに限ります)への変更に係るものに限ります)は、同条の申請を行った者が出入国管理及び難民認定法別表第1の2の表の高度専門職の項の下欄の基準を定める省令(平成26年法務省令第37号)第2条第1項に掲げる基準に適合することのほか、申請人が日本において行おうとする活動が我が国の産業及び国民生活に与える影響等の観点から相当でないと認める場合でないこととする。
参考:出入国管理及び難民認定法別表第1の2の表の高度専門職の項の下欄の基準を定める省令
第2条第1項本文
第1項
法別表第1の2の表の高度専門職の項の下欄第2号の基準は、同号に掲げる活動を行う外国人が、法第12条第1項又は法第4章第二節の規定によるその許可(以下「第2号許可」といいます)を受ける時点において、次の各号のいずれにも該当することとする。
第2項
法第6条第2項、法第20条第2項又は第22条の2第2項の規定による申請の時点において前項各号のいずれにも該当する者は、その申請に係る第2号許可を受ける時点において同項各号のいずれにも該当するものとみなす。
第2条第1項第1号
次のいずれかに該当すること。
イ 高度専門職の在留資格(法別表第一の二の表の高度専門職の項の下欄第1号イに係るものに限ります)をもって日本に在留していた外国人にあっては、前条第1項第1号の表の上欄に掲げる項目に係る同表の中欄に掲げる基準(年収の項にあっては、その時点におけるその外国人の年齢が30歳未満のときは同項のイから卜まで、30歳以上35歳未満のときは同項のイからへまで、35歳以上40歳未満のときは同項のイからホまで、40歳以上のときは同項のイから八までに掲げる基準) に応じ、同表の下欄に掲げる点数を合計したものが70点以上であること。
口 高度専門職の在留資格(法別表第1の2の表の高度専門職の項の下欄第1号ロに係るものに限ります)をもって日本に在留していた外国人にあっては、前条第1項第2号の表の上欄に掲げる項目に係る同表の中欄に掲げる基準(年収の項にあっては、その時点におけるその外国人の年齢が30歳未満のときは同項のイから卜まで、30歳以上35歳未満のときは同項のイからへまで、35歳以上40歳未満のときは同項のイからホまで、40歳以上のときは同項のイから八までに掲げる基準)に応じ、同表の下欄に掲げる点数を合計したものが70点以上であり、かつ、契約機関及び外国所属機関から受ける報酬の年額の合計が300万円以上であること。
八 高度専門職の在留資格(法別表第1の2の表の高度専門職の項の下欄第1号8に係るものに限る。)をもって日本に在留していた外国人にあっては、前条第1項第3号の表の上欄に掲げる項目に係る同表の中欄に掲げる基準に応じ、同表の下欄に掲げる点数を合計したものが70点以上であり、かつ、活動機関及び外国所属機関から受ける報酬の年額の合計が300万円以上であること。
4.「高度専門職」の在留期間
(1)高度専門職1号
5年
(2)高度専門職2号
無期限
5.関係法令
(1)出入国管理及び難民認定法別表第1の2の表下欄の基準を定める省令
(平成26年法務省令第37号・e-gov)
(2)出入国管理及び難民認定法別表第一の二の表の高度専門職の項の下欄の基準を定める省令第一条第一項各号の表の特別加算の項の規定に基づき法務大臣が定める法律の規定等を定める件
(高度専門職特別加算告示・出入国在留管理庁HP)
(3)出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の規定に基づき高度人材外国人等に係る同法別表第一の五の表の下欄に掲げる活動を定める件
(高度人材上陸告示・出入国在留管理庁HP)
(4)出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の規定に基づき高度人材外国人等に係る同法別表第一の五の表の下欄に掲げる活動を定める件第二条の表の下欄に掲げる活動を指定されて在留する者等の在留手続の取扱いに関する指針(高度人材在留指針・出入国在留管理庁HP)
6.ガイドライン等
7.「高度専門職」の申請に必要な資料
(1)認定証明書交付申請(海外からの呼び寄せ)
①申請の必要書類「高度専門職」での呼び寄せ(出入国在留管理庁HPへ)
②申請書フォーマット
【高度専門職1号イ】
【PDF形式】
【EXCEL形式】(出入国在留管理庁HPへ)
【高度専門職1号ロ】
【PDF形式】
【EXCEL形式】(出入国在留管理庁HPへ)
【高度専門職1号ハ】
【PDF形式】
【EXCEL形式】(出入国在留管理庁HPへ)
(2)在留資格変更許可申請
①申請の必要書類 「高度専門職」への変更(出入国在留管理庁HPへ)
②申請書フォーマット
【高度専門職1号イ】・【高度専門職2号】【PDF形式】
【EXCEL形式】(出入国在留管理庁HPへ)
【高度専門職1号ロ】・【高度専門職2号】
【PDF形式】
【EXCEL形式】(出入国在留管理庁HPへ)
【高度専門職1号ハ】・【高度専門職2号】
【PDF形式】
【EXCEL形式】(出入国在留管理庁HPへ)
(3)在留期間更新許可申請
①申請の必要書類 「高度専門職」の更新(出入国在留管理庁HPへ)
②申請書フォーマット
【高度専門職1号イ】
【PDF形式】
【EXCEL形式】(出入国在留管理庁HPへ)
【高度専門職1号ロ】
【PDF形式】
【EXCEL形式】(出入国在留管理庁HPへ)
8.「高度専門職」のQ&A
考え方としては、翻訳通訳の職務に従事している外国人の方は本来、何の在留資格を有するかから考えなければなりません。通常、翻訳通訳の場合は「技術・人文知識・国際業務」を有すると思いますが、「高度専門職1号ロ」の審査基準に“「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に相当する活動のうち「国際業務」の部分は含まれない。”との明文があるため、翻訳通訳の方は「高度専門職1号ロ」の在留資格を取得することができません。要するに翻訳通訳の方はは例外対象とされています。
ここで、「国際業務」とは何かを説明します。審査基準には“外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務”と規定しており、一般的に、その外国人の母国語に係る翻訳通訳は「国際業務」に該当し、大学での専攻との関連性要件及び関連する実務経験要件は不問です。
一方、この例外にも更に例外があり、 “翻訳通訳に従事する場合であっても、大学等において、これらの業務に従事するのに必要な科目を専攻し卒業したもの又は本邦の専門学校を修了し専門士の称号を得たものである場合”は「人文知識」に該当し、つまり、この場合は「高度専門職1号ロ」の取得が可能の対象となります。
現在の在留資格のまま貴社で就労を開始することはできません。必ず貴社を契約機関と定めて在留資格変更許可申請を行い、新たな「高度専門職1号ロ」の許可を受ける必要があります。以下、具体的に説明いたします。
まず、「高度専門職1号ロ」は、「法務大臣が指定する本邦の公私の機関」のみにおいて高度人材として就労することが認めらます。「法務大臣が指定する本邦の公私の機関」は、出入国在留管理局で「高度専門職1号ロ」の在留資格が決定される際、指定書と呼ばれる紙が併せて交付され、この指定書に記載された会社が「法務大臣が指定する本邦の公私の機関」と言えます。指定書は、通常申請人のパスポートにホッチキスで留められています。
今回のケースでは、指定書には別の会社の名称が記載されている状況であり、貴社で就労を開始するためには、当該外国人の居住地を管轄する地方出入国在留管理局へ貴社を契約機関として新たに「高度専門職1号ロ」の在留資格変更許可申請を行います。在留資格は「高度専門職1号ロ」で変わりませんが、手続きの名称は、在留資格変更許可申請となります。
日本では、平成24年5月7日より高度外国人材の受入れを促進するため、高度外国人材に対しポイント制を活用した出入国在留管理上の優遇措置を講ずる制度が設けられています。具体的には、出入国在留管理局HPに掲載されているポイント計算表を利用して計算した際に、70点以上のポイントがあり、且つポイント立証資料を添えて申請を行い、出入国在留管理局による審査の結果、70点以上のポイントを有していると認められた場合は、申請が許可され、高度専門職1号又は2号の在留資格が付与されます。 また、高度外国人材における優遇措置としては、主に以下のものが挙げられます。(概要のみ記載)
<高度専門職1号の場合>
1.複合的な在留活動の許容
2.在留期間「5年」の付与
3.在留歴に係る永住許可要件の緩和
4.配偶者の就労
5.親の帯同の許容(一定の条件の下で)
6.一定の条件の下での家事使用人の帯同の許容
7.入国・在留手続の優先処理
<「高度専門職2号」の場合>
1.「高度専門職1号」の活動と併せて、ほぼ全ての就労資格の活動を行うことができる
2.在留期間が「無期限」となる
3.上記「高度専門職1号」の3~6までの優遇措置が受けられる
「高度専門職1号ロ」を有する方は、『契約機関に関する届出』をしただけで、新たな勤務機関と契約をし転職できるという訳ではありません。元の契約機関との契約を終了したこと及び新たな契約機関と契約を締結したことで2回又はまとめて1回『契約機関に関する届出』をすることには間違いありません。
しかし、”「高度専門職1号」の在留資格で在留する外国人で活動内容を変更(契約機関の変更を含む)する場合も在留資格変更の対象となる。”と定められています。つまり、届出と並行して新たな勤務先に転職するために、同じ職務であっても契約機関が変更されることで「高度専門職1号ロ」から「高度専門職1号ロ」に変更許可申請をしなければなりません。
なぜかというと、「高度専門職1号」の在留資格は『指定書』というものが紐づいており、『指定書』は「高度専門職1号」の在留カードが交付されるときと同時に、パスポートにホチキスで留められる約B6サイズの紙であり、そこには出入国在留管理でに認められた勤務機関が明記されるためです。
なお、「高度専門職1号」から「高度専門職1号」に変更許可申請する際、改めて高度専門職ポイントの立証資料が必要であり、許可された場合は新たな在留カード及び『指定書』が発行されます。
日本で従事している主たるが翻訳・通訳業務である場合は、入管上の「高度専門職」の在留資格には通常該当しません。翻訳・通訳業務は、在留資格「技術・人文知識・国際業務」の中の「国際業務」に該当する活動と言えますが、「高度専門職」は、「国際業務」に分類される活動は、対象外とされています。
社名変更に伴う指定書の変更は必要であり、これは義務となります。また、指定書の変更は郵送で行うことができず、原則は本人が出頭し手続きを行うことが必要です。例外として、委任状があれば、取次者が代わりに手続きすることは可能な場合もあります。
●指定書の変更に必要なる書類
・在留カード
・パスポート
・社名変更がわかる資料
・委任状(取次が手続きする場合)
指定書の変更を怠った場合、永住許可申請や家族の申請、2号への変更申請に影響を及ぼす可能性はございます。しかし、指定書の変更については、法律や施行規則に特段の定めがあるわけではなく、あくまでも入管の内部的な運用にとどまります。契約機関に関する届出と異なり、明確に期日に係る規定はないものの、なるべくお早めに行うことをお勧めいたします。
当方は実際にそのようなケースで代行したことがありますが、以下のような手続きが必要です。
a.『所属機関に関する届出』を入管に指定されたところに郵送又は電子提出した場合
⇒『指定書』を別途、入管に変更してもらうことが不要です。
b.『所属機関に関する届出』を、住居所管轄の各地方入管又はその支局若しくは出張所に行き、その場で入管の職員に提出する場合
⇒ 各地方入管の規定が違う場合があるので、実際の提出先に確認したほうがよいでしょう。
当方は実際にそのようなケースで入管に確認したことがありますが、入管の回答によると、在留資格は「特定活動」である以上、具体的な内容は何であれ、『指定書』には何と記載されたのであれ、全て関係なく、『所属機関に関する届出』の提出が一切不要です。
在留資格認定証明書交付申請や、在留資格変更許可申請、在留期間更新申請などの申請手続きについては、定められた処理期間はなく、申請内容により処理期間は異なりますので、必ずしも希望する入社日までに申請手続きが完了するとは言えません。
仰るように、高度外国人材に対する入国・在留審査は、優先的に早期処理が行われる制度がありますが(審査期間の目安は下記参照)、こちらは処理期間を約束しているものではなく、提出資料の信ぴょう性に疑義のある場合や研究実績に係るポイント計算のために関係行政機関等に照会を要するものは、それらの手続きが終わるまでは結果がでません。実際に当方で取次申請を行ったケースでも、審査期間が1か月~1か月半程要したものが複数ございます。
・在留資格認定証明書交付申請(入国事前審査に係る申請):10日以内を目途
・在留資格変更許可申請や在留期間更新申請など(在留審査に係る申請):5日以内を目途
高度専門職1号ロに許された活動として、「貴社との契約に基づいて自然科学若しくは人文科学の分野に属する知識若しくは技術を要する業務に従事する活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営する活動」が該当いたします。
そのため、貴社での職務と関連する事業を、自分で経営する場合は該当する可能性がございますが、例えば貴社以外の会社と契約し活動する場合は、該当しないこととなります。 まずはご本人様に副業の内容を確認し、上記活動の範囲内かどうかご確認頂くことをお勧めいたします。
エンジニアとして雇用されている場合、高度専門職「1号ロ」の申請になりますが、高度専門職ポイント計算表(高度専門職第1号ロ・第2号)に基づきご自身のポイントを計算した際、70ポイント以上あり、且つ各ポイントの立証資料が提出できれば申請を提出することは可能です。(申請の受付可否は、申請当日に入管担当者が実際に申請書類を確認して決定します)
大学を卒業されていない場合でも、ポイントの合計が70ポイント以上あれば、申請は可能なケースが多いものの、実際は、全項目の中で学歴(取得した学位)や卒業した大学に応じて加算されるポイントの割合が高く、学歴に関するポイントの加算がなくして申請を提出できるケースというのはあまり多くないかもしれません。
また、一点留意する点として、「技術・人文知識・国際業務」の申請においては、従事しようとする業務に関する実務経験は、職業活動として従事した期間(教育機関(夜間学部を除く)に所属している間にアルバイト的に従事した期間を含まない)を指し、教育機関において従事しようとする業務と関連した科目を専攻した期間を含めることも通常問題ありませんが、高度人材外国人として高度専門職ポイント計算表を基に申請を行う場合は上記とは考え方が異なり、職業経験により培った高度な能力や資質を評価するという趣旨の下、大学等において学んだ期間は、実務経験年数に算入しないこととされています。
よって、「高度専門職」へ変更申請を進める際は、実務経験に関する両者の取り扱いの違いを理解しておくことは重要であり、今回のご相談のケースでも実務経験年数は8年間とカウントされる可能性が高いと言えます。
「高度専門職2号」と「永住者」の異同を下表にて簡単にまとめます。
永住者 | 高度専門職2号 | |
申請要件 | いわゆる ① 10年要件 ②「日本人の配偶者等」要件 ③「永住者の配偶者等」要件 ④「定住者」要件 ⑤ 高度専門職ポイント要件 |
「高度専門職1号」の在留資格を継続して3年以上有し、かつ、当該活動を継続して3年以上行っていること |
素行善良要件 | 原則あり | あり |
在留期間 | 無期限 | 無期限 |
就労制限 | 無制限 | 「高度専門職1号イ」,「高度専門職1号ロ」,「高度専門職1号ハ」のいずれかの在留資格で 行うことができる活動と併せて 行う「教授」,「芸術」,「宗教」,「報道」,「法律・会計業務」,「医療」,「教育」,「技術・人文知識・国際業務」, 「介護」,「興行」若しくは「技能」の在留資格で行うことができる活動 |
配偶者の在留資格 | 「永住者の配偶者等」 | 「家族滞在」 |
子の在留資格 | 「定住者」又は「永住者の配偶者等」 | 「家族滞在」 |
申請優先処理 | なし | あり |
配偶者の就労要件緩和 | なし | あり (いわゆる職歴・学歴要件が不要) 「技術・人文知識・国際業務」,「研究」, 「教育」,「興行」に限られる |
親の帯同 | なし | あり 7歳未満(又は妊娠中)の子がいること かつ、世帯年収が800万円以上あること |
外国人家事 使用人の雇用 | なし | あり 13歳未満の子がいることかつ、世帯年収が1000万円以上あること など |
入管の在留資格審査基準で“「高度専門職2号」の在留資格は,在留期間の制限がなく,活動の制限も大幅に緩和されているため,当該在留資格をもって在留する外国人については,その在留期間中に複数の機関に所属し,あるいは,所属機関を変更する機会が多いと考えられ,その一々について法務大臣の指定を要するとした場合,当該外国人にとって負担が大きいと考えられるとともに,「高度専門職2号」の在留資格の対象となるほどの者であれば,法務大臣の指定という手続を置かなくとも,我が国の学術研究又は経済の発展に寄与する活動をすることが期待できることから,「高度専門職1号」の在留資格と異なり,所属機関について法務大臣の指定を要しないこととしている。”と定めているため、「高度専門職1号」のように『指定書』を交付しない意味をするので、問題ありません。
ただし、『指定書』がなく、転職は自由とは言え、日本で主な在留活動は常に“「高度専門職1号イ」,「高度専門職1号ロ」,「高度専門職1号ハ」のいずれか”を行わなければなならないので、どんな転職でも自由という訳ではありません。
具体的には、以下のような優遇措置をうけることが可能です。
➀複合的な在留活動が許容される
②在留期間「5年」の付与
③在留歴に係る永住許可要件の緩和
④配偶者の就労
⑤一定の条件の下での親の帯同の許容
注意点として、例えば➀の“複合的な在留活動が許容される”という優遇措置について、どんな活動も許されるわけではなく、一定の制限を設けられております。 そのため、ご本人様の状況によっては、「高度専門職」を取得しても、上記全ての措置を必ずしも受けられるというわけではない点に注意が必要です。 (「高度専門職」が許可された場合、在留資格は必ず5年になります。)
「高度専門職1号ロ」の在留資格を有する者の配偶者が日本で就労を希望する場合、 まずは、フルタイムとパートタイム(入管法上では一週あたり28時間以内)のどちらで就労を希望するか確認します。
①パートタイム(入管法上では一週あたり28時間以内)で就労を希望する場合
⇒ 日本における主たる活動は、引き続き「高度専門職1号ロ」の在留資格を持って働く者の扶養を受けながら行う日常的な活動とみなされますので、エンジニアとしてパートタイムで勤務を希望する場合も、在留資格は「家族滞在」から変更する必要はありません。ただし、就労を開始する前に、必ず入管へ資格外活動許可の申請を行い、許可を受けたうえで就労を開始します。
②フルタイム(入管法上では、1週間あたり28時間超)で就労を希望する場合
⇒ 家族滞在」の在留資格のままでは、フルタイムで就労することは認められておらず、こちらは配偶者が「高度専門職1号ロ」を有する場合も同様です。フルタイムで働くことを希望する場合は、仕事内容に応じて適切な在留資格へ変更したうえで就労を開始します。内容に応じて適切な在留資格へ変更したうえでなければ就労することはできません。
「高度専門職」の優遇措置の一つに“配偶者の就労に関する項目”がありますが、優遇措置の内容は、学歴・職歴などの要件を満たさない場合でも、在留資格「教育」、「技術・人文知識・国際業務」などに該当する活動ができるというものであり、この優遇措置を利用して就労を希望する場合は、「特定活動(高度専門職外国人の週折る配偶者(告示三十三)」へ変更申請を行います。
なお、「特定活動(高度専門職外国人の就労する配偶者(告示三十三)」は、変更申請が許可された際に新しい在留カードと指定書が交付され、指定書に記載された内容を超えて就労することはできません。指定書には勤務する会社も記載されていますので、転職する場合には、再度新しい会社の下で申請を行い就労にかかる許可を得る必要があります。この点を踏まえ、高度専門職の配偶者自身も学歴・職歴などの一定の要件を満たし、「教育」、「技術・人文知識・国際業務」などの申請が可能であれば、あえて優遇措置を利用し「特定活動(高度専門職外国人の就労する配偶者(告示三十三)」を選択するメリットは少ないと言えるかもしれません。
Regarding this question, we will introduce a case study involving a similar situation. Application type: Application for Permanent Residence using 80 point Highly Skilled Professional fast track
Applicant profile: Holding Master level degree from overseas and stably employed on a non-limited contract with a company in Japan for over 2 years with a high salary. No history of noncompliance with public obligations such as tax, pension, etc.
Discrepancy: Previously, when the applicant made an application for a working visa status in Japan, the information the applicant provided regarding work history was incomplete, with one workplace left out completely. For the Application for Permanent Residence, this work history became an important portion of the application relating to the points system needed to qualify for the application in this way.
Application result: Application for Permanent Residence Granted. However, over the course of the application, the Immigration Services Bureau made multiple requests for additional documents and explanations regarding education and work history, especially including, as expected, the portion of the application that conflicted with the previous application, and an explanation of the conflict in information. In this case, although some information was omitted from the previous application, the other information that was submitted in both cases was correct, which the supporting documents showed.
Although the case above resulted in a positive conclusion, it showed that the Immigration Bureau does indeed refer to past applications to check for inconsistencies, and that such inconsistencies could result in issues with applications at the Immigration Bureau.
現在の年収とは申請時点での見込み年収を指し、これは在籍している会社から発行される「収入見込証明書」で年収額を確認することができます。
1年前の年収とは申請日から1年遡ったときの年収を指すため、例として、2021年1月に申請する場合には1年前とは2020年1月となります。そのため、2020年1月から2020年12月までの収入を指します。3年前の年収も同じように、申請日から3年遡ったときの年収を指すため、2021年1月に申請する場合には、2018年1月から2018年12月までの収入を指します。
高度専門職ポイント計算表における年収とは、過去の在留における年収ではなく、これからもらう予定である見込みの年収を意味し、税抜き前の年収が基準となります。現在の年収のポイントを証明するときは在籍している会社から発行される「収入見込証明書」で立証することができます。また、会社の捺印があることが望ましいです。
ちなみに、年収300万円以下の場合は、他の項目で70点以上を証明できたとしても、高度専門職外国人としては認められません。
現在の年収とは申請時点での見込み年収を指し、これは在籍している会社から発行される「収入見込証明書」で年収額を確認することができます。
1年前の年収とは申請日から1年遡ったときの年収を指すため、例として、2021年1月に申請する場合には1年前とは2020年1月となります。そのため、2020年1月から2020年12月までの収入を指します。
同様に3年前の年収も申請日から3年遡ったときの年収を指すため、2021年1月に申請する場合には、2018年1月から2018年12月までの収入を指します。
高度専門職ポイント計算表における年収とは、過去の在留における年収ではなく、これからもらう予定である見込みの年収を意味し、税抜き前の年収が基準となります。現在の年収のポイントを証明するときは在籍している会社から発行される「収入見込証明書」で立証することができます。また、会社の捺印があることが望ましいです。
ちなみに、年収300万円以下の場合は、他の項目で70点以上を証明できたとしても、高度専門職外国人としては認められません。
立証資料上の氏名と現在の氏名(旅券や在留カード)が異なる場合、その立証資料は申請人の立証資料として受理されない可能性があります。そのため、申請人と立証資料上の人物が同一であることが確認できる公的書類を添付することをお勧めします。添付書類の例としては、旧氏名で発行された旅券の写しや運転免許証、本国のIDなど(日本語以外の書類には訳文の添付要)が挙げられます。
今回のように氏名が異なるケースの他、立証資料については、下記のような点に注意すると良いでしょう。
・申請人に関する書類であること
・発行日が確認できること
・加算を希望するポイントを認めるに足る事実が、明確に確認できること
・信頼できる機関(公的機関、学校、会社など)が発行した書類であること
どちらの在留資格が良いのかは、個人の価値観やどの利点を重視するかによっても変わるため、当方としては一概にお答えすることができません。入管や法務省のHP等をご自身で調べていただいて総合的に判断していただければと思います。
ご参考までに、無職でも問題なく日本に在留できるのが「永住」、原則として就労をし続けなければならないのが「高度専門職」です。現在、「高度専門職」としての優遇措置を受けている方は、永住に変更した場合その優遇措置は適用されなくなるため、慎重な検討が必要です。また、立法政策によって地方参政権の付与の可能性があるのは「永住」のみとなります。
退職者からの退職証明書発行の依頼があった場合、会社側には退職証明書の発行義務があるため、その発行を拒否することはできません。退職証明書の発行を拒否すると、労働基準法違反となり、30万円以下の罰金が科される規定もあるため、注意が必要です。ただし、退職証明書の発行義務は退職から2年間のため、退職から2年以上経過している場合には、交付を拒否することも可能です。
参考条文
労働基準法第22条第1項
労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金又は退職の事由(退職の事由が解雇の場合にあっては、その理由を含む。)について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。
労働基準法第120条
次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第十四条、第十五条第一項若しくは第三項、第十八条第七項、第二十二条第一項から第三項まで、第二十三条から第二十七条まで、第三十二条の二第二項(第三十二条の三第四項、第三十二条の四第四項及び第三十二条の五第三項において準用する場合を含む。)、第三十二条の五第二項、第三十三条第一項ただし書、第三十八条の二第三項(第三十八条の三第二項において準用する場合を含む。)、第三十九条第七項、第五十七条から第五十九条まで、第六十四条、第六十八条、第八十九条、第九十条第一項、第九十一条、第九十五条第一項若しくは第二項、第九十六条の二第一項、第百五条(第百条第三項において準用する場合を含む。)又は第百六条から第百九条までの規定に違反した者
労働基準法第115条
この法律の規定による賃金の請求権はこれを行使することができる時から五年間、この法律の規定による災害補償その他の請求権(賃金の請求権を除く。)はこれを行使することができる時から二年間行わない場合においては、時効によって消滅する。
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