在留資格の種類

技術・人文知識・国際業務


1.「技術・人文知識・国際業務」の概要

 「技術・人文知識・国際業務」の在留資格は、日本の公私の機関との契約に基づいて行う自然科学の分野(理科系の分野)若しくは人文科学の分野(文系の分野)の専門的技術若しくは知識を必要とする業務に従事する外国人または外国人特有の感性を必要とする業務に従事する外国人を受け入れるために設けられた在留資格です。

2.「技術・人文知識・国際業務」の該当範囲

 日本の公私の機関との契約に基づいて行う理学、工学その他の自然科学の分野若しくは法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動。

①自然科学の代表例

 数理科学、物理科学、化学、生物科学、人類学、地質科学、地理学、地球物理学、科学教育、統計学、情報学、核科学、基礎工学、応用物理学、機械工学、電気工学、電子工学、情報工学、土木工学、建築学、金属工学、応用化学、資源開発工学、造船学、計測・制御工学、化学工学、航空宇宙工学、原子力工学、経営工学、農学、農芸化学、林学、水産学、農業経済学、農業工学、畜産学、獣医学、蚕糸学、家政学、地域農学、農業総合科学、生理科学、病理科学、内科系科学、外科系科学、社会医学、歯科学、薬科学など

②人文科学の代表例

 語学、文学、哲学、教育学(体育学を含む)、心理学、社会学、歴史学、地域研究、基礎法学、公法学、国際関係法学、民事法学、刑事法学、社会法学、政治学、経済理論、経済政策、国際経済、経済史、財政学・金融論、商学、経営学、会計学、経済統計学など

③「自然科学の分野に属する技術又は知識を必要とする業務」

 学術上の素養を背景とする一定水準以上の業務であることを示すものであり、自然科学の分野に属する技術又は知識がなければできない業務であること

④「人文科学の分野に属する技術又は知識を必要とする業務」

 学術上の素を背景とする一定水準以上の業務であることを示すものであり、人文科学の分野に属する技術又は知識がなければできない業務であること

 大学等において理科系又は文科系の科目を専攻して修得した一定の水準以上の専門的知識を必要とするものであって、単に経験を積んだことにより有している知識では足りず、学問的・体系的な知識を必要とするものでなければなりません。

⑤「外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務」

 外国人特有の感性、すなわち、外国に特有な文化に根ざす一般の日本人が有しない思考方法や感受性を必要とする業務を意味する。また、外国の社会、歴史・伝統の中で培われた発想・感覚を基にした一定水準以上の専門的能力を必要とするものでなければなりません。

3.「技術・人文知識・国際業務」の基準

 申請人が次のいずれにも該当していること。 ただし、申請人が、外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法第58条の2に規定する国際仲裁事件の手続についての代理に係る業務に従事しようとする場合は、この限りではありません。

第1号

 申請人が自然科学又は人文科学の分野に属する技術又は知識を必要とする業務に従事しようとする場合は、従事しようとする業務について、次のいずれかに該当し、これに必要な技術または知識を修得していること。

 ただし、申請人が情報処理に関する技術又は知識を要する業務に従事しようとする場合で、法務大臣が告示をもって定める情報処理技術に関する試験に合格し又は法務大臣が告示をもって定める情報処理技術に関する資格を有しているときは、この限りではありません。

① その技術若しくは知識に関連する科目を専攻して大学を卒業し、又はこれと同等以上の教育を受けたこと。

② その技術又は知識に関連する科目を専攻して日本の専修学校の専門課程を修了(その修了に関し法務大臣が告示をもって定める要件に該当する場合に限ります)したこと。

③ 10年以上の実務経験(大学、高等専門学校、高等学校、中等教育学校の後期課程又は専修学校の専門課程においてその技術又は知識に係る科目を専攻した期間を含みます)を有すること。


第2号

 申請人が外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務に従事しようとする場合は、次のいずれにも該当していること。

① 翻訳、通訳、語学の指導、広報、宣伝又は海外取引業務、服飾若しくは室内裝飾に係るテザイン、商品開発その他これらに類似する業務に従事すること。

② 従事しようとする業務に関連する業務について3年以上の実務経験を有すること。 ただし、大学を卒業した者が翻訳、通訳又は語学の指導に係る業務に従事する場合は、この限りではありません。


第3号

日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること。

4.「技術・人文知識・国際業務」の在留期間

1.在留期間5年

 次の①、②及び⑤のいずれにも該当し、かつ、③または④のいずれかに該当するもの。

① 申請人が人管法上の届出義務(住居地の届出、住居地変更の届出、所属機関の変史の届出等)を履行しているもの(上陸時の在留期間決定の際には適用しない。)

② 学齢期(義務教育の期間をいう。)の子を有する親にあっては、子が小学校、中学校又は義務教育学校(いわゆるインターナショナルスクール等も含む。)に通学しているもの(上陸時の在留期間決定の際には適用しない。)

③ 契約機関がカテゴリー1又はカテゴリー2に該当するもの

④ ③以外の場合は、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で3年の在留期間が決定されている者で、かつ、日本において引き続き5年以上「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に該当する活動を行っているもの

⑤ 就労予定期間が3年を超えるもの


2.在留期間3年

 次のいずれかに該当するもの。

① 次のいずれにも該当するもの

ア 5年の在留期間の決定の項の①及び②のいずれにも該当し、 ③又は④のいずれかに該当するもの
イ 就労予定期間が1年を超え3年以内であるもの

② 5年の在留期間を決定されていた者で、在留期間更新の際に次のいずれにも該当するもの

ア 5年の在留期間の決定の項の①又は②のいずれかに該当せず、かつ、③又は④のいずれかに該当するもの
イ 就労予定期間が1年を超えるもの

③ 5年、1年又は3月の項のいずれにも該当しないもの

2.在留期間1年

 次のいずれかに該当するもの。

① 契約機関がカテゴリー4に該当するもの

② 3年の在留期間を決定されていた者で、在留期間更新の際に5年の在留期間の項の①又は②のいずれかに該当しないもの

③ 職務上の地位、活動実績、所属機関の活動実績等から、在留状況を1年に1度確認する必要があるもの

④ 就労予定期間が1年以下であるもの


2.在留期間3カ月

 就労予定期間が3月以下であるもの

5.関係法令

6.ガイドライン等

(1)  在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン(日本語)(令和2年2月改正) (出入国在留管理庁HPへ)
(2)  不許可事例 (出入国在留管理庁HPへ)
(3)  就労資格の在留諸申請に関連してお問い合わせの多い事項について(Q&A) (出入国在留管理庁HPへ)

(4) 「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の明確化等について(PDF:156KB)(出入国在留管理庁HPへ)
① 別紙1(「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で許容される実務研修について)(PDF:85KB) (出入国在留管理庁HPへ)
② 別紙2(ファッションデザイン教育機関)(PDF:34KB) (出入国在留管理庁HPへ)
③ 別紙3(事例)(PDF:194KB) (出入国在留管理庁HPへ)
④ 別紙4(ホテル・旅館等において外国人が就労する場合の在留資格の明確化について)(PDF:158KB) (出入国在留管理庁HPへ)
⑤ 別紙5(「クールジャパン」に関わる分野において就労しようとする留学生等に係る在留資格の明確化等について)(PDF:131KB) (出入国在留管理庁HPへ)

7.「技術・人文知識・国際業務」の申請に必要な資料

(1)認定証明書交付申請(海外からの呼び寄せ)

①申請の必要書類   「技術・人文知識・国際業務」での呼び寄せ(出入国在留管理庁HPへ)

②申請書フォーマット  【PDF形式】  【EXCEL形式】(出入国在留管理庁HPへ)

(2)在留資格変更許可申請(留学などから「技術・人文知識・国際業務」への変更)

①申請の必要書類   「技術・人文知識・国際業務」への変更(出入国在留管理庁HPへ)

②申請書フォーマット  【PDF形式】  【EXCEL形式】(出入国在留管理庁HPへ)

  

(3)在留期間更新許可申請(「技術・人文知識・国際業務」の期間延長)

①申請の必要書類    (出入国在留管理庁HPへ)

②申請書フォーマット  【PDF形式】  【EXCEL形式】(出入国在留管理庁HPへ)

8.「技術・人文知識・国際業務」のQ&A

 「Associate」の学位で要件を満たす可能性があります。ソフトウェアエンジニアの業務は通常、「技術・人文知識・国際業務」という在留資格の「技術」の方に該当します。こちらの在留資格の要件を満たす方法の1つとしては、従事しようとする業務と関連性がある専攻で大学を卒業したことですが、こちらの「大学」というのは、Bachelorより低いレベルの学位だから認められないわけではありません。  確かに4年の学位である「学士」や「Bachelor」で、ソフトウェアエンジニアの仕事に関連する専攻の学位であれば、学歴の要件を問題なく満たす可能性が高いと考えられます。これに対して、「Bachelor」よりレベルが低い学位の場合は学歴要件を満たさないと判断される可能性が強まることも確かです。

 しかし実務上では、2年の学位である「短期大学士」と同等のレベルと認められた海外の学位も学歴要件を満たす場合が多く見受けられます。ただ、海外の専門学校の課程を終了された場合は、仕事との関連性があったとしても学歴の要件を満たさないと判断される可能性も高いものが事実です。つまり、出入国在留管理局から見た場合、その海外の学位が短期大学、専門学校のどれに当たるかというところ画が重要となります。

 大学以上を卒業している場合には、御社での業務と関連する学位を有することを証明すれば、基本的な要件の1つを満たすことができますが、学位をお持ちでない場合には、実務経験を10年以上有することを立証する必要があります。

 この実務経験とは、「貴社で行う業務と全く同じ業務の経験」である必要まではありませんが、申請上は少なくともIT関連のお仕事の経験を証明できたほうが安心です。また、申請上の御社の区分(カテゴリー)が3以下の場合、申請時に職務経験の立証資料の提出が必要です。この資料は勤めていた会社ごとに新たに発行して頂く必要があり、➀在籍時に従事していた業務や、②その業務に従事していた期間等、書類の中に明記されていることが必要となります。そのため、過去に在籍していた企業において上記のような証明書発行の有無の確認も必要となりますので、退職して長期間経過している会社での経験を申請に使用する際には注意が必要です。

 カテゴリー1、2の場合にも、審査段階で提出が求められる可能性があるため、少なくとも事前に10年以上の経験があるかどうかを過去の経歴や在籍企業の情報を確認した上で申請することが大切です。

 The sending of notifications relating to employment change for the case of “Engineer/Specialist in Humanities/International Services” is an obligatory responsibility of the visa status holder themselves. The employing company/organization is also encouraged to send notifications to the Immigration Services Bureau in this case, but this is not obligatory.

 A mandatory notification is required from the visa holder to the Immigration Services Bureau within 14 days after the occurrence of one of the following 4 events: the company/organization changes its name or address, the company organization ceases to exist, the visa holder’s contract is terminated, or the visa holder forms a new contract with a company or organization. An optional notification from companies/organizations employing foreign nationals is encouraged when a foreign national is hired and when a foreign national’s work arrangement with the company is terminated.

The notification can be made in person, by post, or by the Immigration Services Bureau online e-notification system. If the notification is made in person or by post, an agent can submit the notification as proxy. The notification is different from an application in that it is a one way procedure that concludes with the submission of the notification sheet/data, unlike an application, in which a response of approval or denial is issued by the Immigration Services Bureau. In some cases, the Immigration Services Bureau may contact the new employer or the foreign national for more details.

Although this procedure is mandatory, many people forget about the procedure, or submit the notification late. Even while enforcement and penalties related to these procedures does not tend to be harsh, it can still affect the person in future applications, so proper adherence to the notification rules is highly encouraged. If a person has forgotten to send the notification and remembers later, it is still generally better to submit the notification late than never.

 在留資格「教育」は、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、専修学校又は各種学校若しくは設備及び編制に関してこれに準ずる教育機関において語学教育その他の教育をする活動が該当します。一般企業等の教育機関以外の機関にて英語指導の活動をおこなうことは「教育」には該当しないことになります。そのため、「教育」のまま英語指導をおこなうことはできません。その場合、在留資格「技術・人文知識・国際業務」への変更が許可された後の就労開始となります。

 審査上、「日本人が従事する場合に受ける報酬額と同等以上の報酬を受けること」が必要になります。これは外国人が従事する業務・業界も非常に多岐に渡ることから、一律に●●円以上支払う必要がある、というような明確な規定はありません。そのため、これは審査の段階では、個々の企業の賃金体系を基礎に日本人と同額以上であるか、又はほかの企業の同種の職種の賃金を参考にして、日本人と同等以上の給与であるかを個別に判断することとなります。

 そのため、外国人の職務内容や職位、年齢などを貴社の賃金テーブルでご確認頂き、日本人の方と同様に給与を決定することが大切です。

 確かに「技術・人文知識・国際業務」に関する審査基準に定められた要件の一つは、“日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること”とありますが、これは“最低賃金”という意味ではありません。

 ここでいう“同等額以上”とは、“報酬額を基準として一律に判断するのではなく、個々の企業の賃金体系を基礎に日本人と同等額以上であるか、また,他の企業の同種の職種の賃金を参考にして日本人と同等額以上であるかについて判断するとされています。なお,この場合,外国人が大卒であればその企業の日本人大卒者の賃金を,専門職や研究職であればその企業の日本人専門職やや研究職の賃金を参考に判断されています。

 つまり、同じ条件で日本人社員を雇用した場合と比べて、同レベルの賃金であることが求められます。

 ここで問題となるのは、「技術・人文知識・国際業務」の審査基準に定められた要件の一つである、”外国人本人と本邦の公私の機関との契約に基づいて行われる活動”の部分です。

 ご質問では、申請人に勤務をしてもらおうとする日本企業は海外企業と業務委託契約を締結し、海外企業から申請人に発出する出向辞令だけでは認められず、審査基準の文言どおり、日本企業が直接に申請人本人と何らかの契約をしなければならなりません。なお、日本企業と申請人との「契約」は雇用契約に限らず、委任契約・委託契約・嘱託契約等もよいとされています。

 

 まず、実務経験が10年以上あれば、「技術・人文知識・国際業務」を申請できる可能性が生じます。次に、この実務経験とは、もちろん御社で行う業務と関連した実務経験が必要であることは言うまでもありませんが、その内容は職業活動として従事した期間を言います。例えば「学業を本業として大学に在籍中に、アルバイトとして勤務していた、」というような場合には、この実務経験には含まれません。  しかし、実務経験という言葉からは連想されにくいかもしれませんが、大学のような教育機関で従事しようとする業務に係る科目を専攻していた場合には、その期間も実務経験の期間に含めることが可能です。

 また、実務経験の立証資料についてですが、これは基本的には、関連する業務に従事していた会社に証明書等を発行して頂くことになります。

 そのため、複数の会社での実務経験を合算して申請を行う場合には、過去に職歴を遡って書類の発行をお願いする必要が出てくるケースもありますので、まず申請前にそういった書類の発行が可能かどうかを確認することをお勧めします。

 

 First of all, since work activities as you describe them are not permitted on the Temporary Visitor visa status that tourists and business travelers use, it would be necessary for you to obtain a work visa status first, assuming you do not already hold an unrestricted work status such as Permanent Resident, Spouse or Child of Japanese National, Spouse or Child of Permanent Resident, or Long Term Resident.

 If the work you do is for a company registered in Japan, then it may be possible for that company to sponsor an Engineer/Specialist in Humanities/International Services visa status if you and the work fulfill the requirements. If you are employed by a foreign company that has a subsidiary or other capital-related company in Japan, you may be eligible for the Intracompany Transferee visa status if you otherwise fulfill the requirements. If you are interested in establishing a business in Japan, you may be eligible for the Business Manager visa status once your company has been registered.

 However, if your work is for entities outside Japan with no presence in the country, there is likely not any status that would be able to obtain for these purposes at this time under Japanese immigration law at this time.

 

 工事現場で勤務される方の申請について、現場の作業員として業務に従事する場合には、その業務が入管からは単純労働と見なされ、「技術・人文知識・国際業務」には該当しないと判断される可能性が高いと言えます

 しかし、現場の作業員ではなく、現場全体を管理指揮する監督者として申請を行う場合には、「技術・人文知識・国際業務」の活動にあたるとして、申請が許可されるケースも見られます。現場の実態や状況によっても柔軟に提出書類を検討する必要がありますが、申請をしてみる価値はあるかと思います。

 

 For a foreign national employed as an assistant language teacher, the assistant language teacher would need to be paid a salary/remuneration equal to that that a Japanese national would receive working in the same position, have received 12 years or more of education in the language they plan to teach, and fulfill one of the following 3 conditions as well to be eligible for the Instructor visa status:

1 Graduated university or equal level of education
2 Obtained a diploma in the subject from a Japanese vocational school approved by the Minister of Justice
3 Hold a license pertaining to education

 For the 12 years of education, generally, this should be education administrated in the target language. The content of the courses themselves do not necessarily need to be related to the language. For example, a candidate for an assistant language teacher position who has 12 years of education in English including standard public high school in the USA, or a candidate who completed 12 years of education taught in English at an international school in France would meet this requirement.

 For the university requirement, generally a Bachelor level degree or above would satisfy the requirement. However, degrees that are judged to be equivalent in curriculum to a Japanese 2-year junior college degree may also be accepted. For example, Associate degree holders from USA or other countries with similar systems are often approved. However, if the 2-year degree is deemed to be equivalent to a vocational school diploma, the application may not be approved. The license pertaining to education does not need to be a Japanese license; it could be a license from a foreign country as well. Therefore, a person who holds a teacher’s license in another country could meet this requirement.

 在留資格「技術・人文知識・国際業務」の要件上、「本邦の公私の機関(御社)との契約」が要件となっており、申請に際して契約を締結することが必要となります。

 しかし、就労可能な在留資格が許可されるまで、実際に働けるかどうかが確定しないため、在留資格の許可を前提に契約の効果を発生させる文言を付して当該契約を行うことが一般的となります。この条件は、法律上「停止条件」と呼ばれ、就労可能な在留資格が許可されて初めて当該契約の効果が生じることとなります。なお、実務上では、契約書ではなく、給与や稼働先などの条件がきちんと明示されていれば、採用内定通知書等の書類で申請を行っても許可となる場合があります。申請前に、一度自社で使用されている書類が在留手続きで認められるかどうかの確認をしていただくことが重要です。

 現在、「留学」の在留期間内で、資格外活動が許可され、教育機関にて「留学」に該当する活動をおこなっている場合は、風営法関連などの一部の業務を除きますが、変更申請中に週28時間以内のアルバイトを行うことは可能です。

 ただ、教育機関の卒業をもって「留学」の「該当性」がなくなるため、卒業後は「留学」の在留期間内で、資格外活動が許可されていたとしても週28時間以内のアルバイトはできなくなります。 不法就労と判断される可能性もありますので、所属機関として、前もって上記の旨を内定者に伝え、徹底していただくことをお勧めします。

 It is true that time spent in education or training can be added to the work experience total for periods of time in education or training does not overlap with other professional work experience. The Immigration Services Bureau has broad authority to make decisions on applications, so it is not impossible that an application may be granted for someone with less than 10 years of experience, but it would be wise to follow the eligibility guidelines set as closely as possible, because very often they will be enforced strictly by the Immigration Services Bureau.

 Here is an example of a case that resulted in a denial:

 Application type: Certificate of Eligibility
Visa status type: Engineer/Specialist in Humanities/International Services
Work Type: IT engineering
Salary: 430,000 JPY per month
Contract length: “Seishain”/not fixed
Employer category: Category 3
Applicant education: 1 year 9 months vocational school
Related professional work experience: 7 years 4 months
Application processing time: ~ 4 months
Reason for denial: Education + work experience = 9 years 1 month, therefore insufficient for the 10 year requirement

 「技術・人文知識・国際業務」の基準の1つである“申請人が自然科学又は人文科学の分野に属する技術又は知識を必要とする業務に従事しようとする場合”に該当しなかった可能性が高いと考えられます。つまり、歯科技工士の職務内容は「技術・人文知識・国際業務」で定める職務内容に該当しないと判断されたということです。

 ちなみに、ここでは職務内容が該当するかどうかが問題であり、ご本人が国家資格を所持しているかどうかは関係ありません。あくまでも、就労内容から判断されたものと思われます。

 実際に行う業務をありのままに記載することが重要です。こういった書類の提出を受ける場合には、多くの場合、➀申請書に記載した職務内容が不明確又は、②職務内容が在留資格の要件に合致するのか疑義が生じている場合が多いようです。そのため、実際にどのような職務を行うのかを詳細に明記することはもちろんですが、具体的にどのような専門知識が必要とされ、要件に合致するのかについて丁寧に説明を加えることが大切です。

 すでに就労資格をお持ちである方を雇用する場合には、以下の2つのポイントに注意が必要です。
 ➀どのような職務内容で申請をして現在の在留資格を得たか
 ②転職先で行う職務内容が現在有効な在留資格で可能な活動範囲内であるか

 原則として、転職先でも以前許可を受けた職務内容と同様の職務に従事するような場合には、現在お持ちの在留資格でそのまま就労して頂くことが可能です。そのため、①のように以前の勤務先で「技術・人文知識・国際業務」を申請した際の職務内容を確認することが必要です。

 また、転職前と転職後で職務内容が変わる場合には、②を確認することとなります。特に「技術・人文知識・国際業務」は3つの活動内容が一つの在留資格にまとまっていることから、自社で行う職務内容がどの活動に該当するかを判断しなければなりません。とはいえ、これは判断が難しい場合がありますので、専門家に相談するほか、就労資格証明書交付申請を行うことで明確にする例も見受けられます。ちなみに、就労資格証明書とは、外国人本人が行うことができる活動等を法務大臣が証明する文書です。こちらを取得することで外国人本人も安心して就労頂くことが可能になりますし、雇用する企業様も、会社で行う活動が本人に許されている活動かどうかを事前に確認することが可能です。

 このようにすでに就労資格をもった外国人を採用する際には、後々のトラブルを防止するためにも、事前に「今の在留資格で働くことができるか」をしっかり確認することが重要です。

 システムエンジニアとしての実務経験が10年未満で、情報処理技術者資格又は試験合格が無い場合は、原則として、従事する業務と大学等又は専修学校において専攻した科目との関連性が要求されます。専攻科目と従事する業務が完全一致していることまでは必要ではなく、関連していれば良いとされています。※1

 情報学は文系・理系の両面を併せ持っており、情報社会学やメディア論について学ぶこともあれば、コンピュータネットワークやプログラミングについて学ぶこともあります。そのため、学部や学科の名称で判断するのではなく、成績証明書等で、より具体的に学んだ内容を確認し、関連性があるかどうかを判断した上で、採用の有無を決定するのことが留学生を採用する重要なポイントになると考えられます。

 ※1 大学卒業の場合、大学は学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させる目的があり、その目的を実現するための教育研究を行い、その成果を広く社会に提供することにより、社会の発展に寄与するとされていることを踏まえると、大学における専攻科目と従事する業務の関連性については、比較的緩やかに判断されることとされています。(専修学校は含まれません。)

 Regarding “Provisional” Graduation Certificates, there are some risks involved, depending on the wording of the certificate, and the temporary meaning of the word “provisional.” We understand that different countries have different higher education systems with different degree certificate customs, and in some countries, “provisional” certificates are issued as part of the process. However, the Immigration Services Bureau is not familiar with the systems of every country, and in Japan, a “Certificate of Expected Graduation” can be issued showing the future expected graduation date, but is not itself proof of graduation.

 If the provisional certificate clearly states that your degree was awarded already on a past date, then it is possible that it may be accepted as proof of graduation for an application, but if the certificate does not clearly state the completed award of your degree, there is a significant risk that it may not be accepted as proof of graduation for your application. If the provisional certificate does not clearly state your completed degree award, if you can receive an additional letter from your university registrar, then it may be accepted. However, if the registrar is unable to provide you with such a letter, you may have to wait until you are able to obtain your official university graduation certificate.

 学歴と職務内容が一致しないからといって、それだけですぐに不許可とされるわけではありません。 確かに、「技術・人文知識・国際業務」では職務内容と学歴の関連性が要件として求められていますが、大学以上を卒業している場合には、その関連性は比較的緩やかに審査されることとなります。

 また、学部の名称が職務内容とは一見、全く関係のないものであったとしても、総合科目として関連性のあるものを履修していれば、審査上有利になる可能性も考えられます。

 結論から申し上げますと、契約形態が雇用契約以外であったとしても、在留資格上の問題はございません。外国人と契約の必要はありますが、契約の内容については、雇用、請負、委任など、様々な形態で契約を締結することが可能です。

 しかし、在留資格の更新時には注意が必要となります。雇用契約であれば、雇用契約に基づき、毎月の報酬が安定しており、その内容を問われた場合であっても、雇用契約書の写しを提出すればある程度の説明をすることができます。しかし、委任等の場合には、スポット契約のような形で案件ベースで発注しているケースが多く、その実態の把握(業務内容や報酬額、業務頻度など)が雇用契約に比べて難しい側面があります。

 そのため、申請時に入管に説明ができるよう、契約書や請求書等を案件別に保管し、入管に提示を求められた際には、すぐに対応できるようにしておくことをお勧め致します。

 可能性はゼロではありませんが、審査は厳しいものとなります。 まず、整備士としてどのような活動を行うかが重要であり、それはあくまでも大学以上で学習するような自動車工学という専門知識を活用したものである必要があります。そのため、申請の際には、単なる現業ではなく、高度な専門知識を要する活動であることが審査官に伝わるよう、丁寧な説明をする必要があります。

 国によって教育制度が異なりますので、明確にBachelorという表現の記載がなかったとしても、ご本人様の学位がBachelor以上であると説明ができれば許可になるケースはあります。

 まずはその国の教育制度に照らし、有する学位がどの程度なのかを正確に把握することが重要です。また、立証手段としては、大学側から学位の詳細について説明文を発行して頂くほか、文部科学省から公表されている世界の教育体系に係る資料でお持ちの学位がBachelor以上であるかの確認が可能です。

  Provisional Certificateは、日本の在留資格上の申請手続きにおいて、大学の卒業証明書としては受理されないことが多く、当事務所でも通常使用しません。多くの場合、Provisional Certificateが証明する内容は、「卒業に必要な試験に合格したこと」 や「学位取得に必要な要件を満たしていること」であり、実際に卒業した事実までを確認することができないためです。インド国内では、就職の際などにProvisional Certificateが広く用いられているようですが、日本の入管法上の要件は、「学位を取得し卒業していること」であり、「卒業に必要な試験に合格したこと」 や「学位取得に必要な要件を満たしていること」では不十分と言えます。実際、過去にProvisional Certificateを使用して申請を提出したケースにおいて、審査の過程で卒業証明書の追加提出を求められましたが、実際は卒業に必要な事務手続きが終わっておらず卒業していなかった事実が判明したケースがありました。このケースでは、卒業証明書が発行されるまで半年程待ち、卒業証明書の追加提出を以て認定証明書が交付されました。国によりビザ申請における要件や申請書類等は異なりますので、申請を行う国のビザ制度や必要書類を十分に理解したうえで、申請を進めることが大切です。

  「店長」のような運営の職務内容として活動する前提として、現場の知識が必要不可欠である場合には、主任に任命されるまでの具体的なスケジュール(月ごとの活動内容等)を提出し、そのスケジュールに沿って会社として申請人の活動内容をサポートする旨の説明書を提出した上で申請を実施することをお勧めいたします。

  現場での研修期間について、「●●年、月以内」という明確な規定は御座いませんが、おおむね6か月程度であることが必要であり、長ければ長いほど申請の難易度が上昇します。

  はい、原則はスケジュール通りに店長になって頂く必要があります。しかし、入社後の活動内容についてですが、実際の業務の習熟度や店長としての適性については、実際に業務に従事し、その働きぶりを確認しないことにはわからない部分も当然あります。そのため、御社として、一定期間の研修の上、申請人に店長としての適性が認められなかった場合の対応についても、事前に検討することをお勧めいたします。

  仮に許可となったとしても、申請人に認められた現場作業期間には限りがあり、期間満了後は有する在留資格に対応した活動をすることが求められます。そのため、管理者とならなかった場合の職務について、受け入れ可能部署や従事する業務など、事前に調整しておくことが重要です。

  「日本人従業員と同等額以上の報酬」については、通常、契約機関となる企業の賃金体系や他の企業の同種の職種に従事する日本人従業員の賃金額などを総合的に見ながら判断されています。また、申請人が大学を卒業している場合は、大卒の日本人と同等以上の報酬額を、専門職や研究職であれば日本人専門職や研究職の賃金を参考とするものとされています。なお、退職金や結婚祝金・見舞金、現物給付としての住宅・食事などについては、通常、賃金や報酬としては認められません。

  While there are some visa statuses that can technically be “self-sponsored, ” in the vast majority of cases for work visa statuses, there is a sponsoring employer or other contracting/accepting organization. In terms of the Engineer/Specialist in Humanities/International Services visa, it is not technically possible to “self-sponsor,” because a contract with a Japanese company or organization is always required.

  When people talk about “self-sponsoring” in relations to the Engineer/Specialist in Humanities/International Services visa status, they may be talking about situations in which one foreign national has contracts with multiple companies/organizations based in Japan in a capacity similar to freelance work, which is possible in some cases. As a contract is required in order to qualify for this particular visa status, it would not be possible for someone to apply for the visa status as a freelancer without any contracted company/organization to act as the sponsor. The applicant would first have to arrange contracts that together meet the requirements for the Engineer/Specialist in Humanities/International Services visa status.

 現在では、働き方も多様化しており、副業を認める会社様も増えておりますが、日本国籍社員が副業をする場合とは異なり、外国籍社員の場合には注意する点があります。まず、どのような副業を行うかご本人様に確認することをお勧めいたします。就労制限のない方を除き、一般的な就労資格を有する外国人には、それぞれ有する在留資格によって、活動の範囲が限定されております。

  そのため、御社での活動においては問題なくとも、副業で在留資格外の活動をしていた場合には、不法就労を問われる可能性が御座います。特に、副業として外部で行っている業務については、御社でその内容を把握できないことも多いため、「知らないうちに社員が不法就労をしていた」ということにならないよう、御社側で適切な指導を行うことも重要です。

  また、よくあるケースとして、副業として得た収入の確定申告が漏れていた、というケースが非常に増えております。御社で勤務している分には、御社側で税金の処理がされるかと思われますが、副業分については、外国籍社員ご自身が確定申告をしなければならないため、これを失念または知らずに手続きが漏れていると、在留資格の更新に影響する可能性さえあるため、注意が必要です。

 「技術・人文知識・国際業務」の場合に使用する『所属機関に関する届出』の種類は『契約機関に関する届出』のほうです。

『契約機関に関する届出』
在留資格 届出事由
・「高度専門職1号イ」
・「高度専門職1号ロ」
・「高度専門職2号(イ)」
・「高度専門職2号(ロ)」
・「研究」
・「技術・人文知識・国際業務」
・「介護」
・「興行」
・「技能」
・「特定技能」
1.契約機関との契約が終了した場合
2.新たな契約機関と契約を締結した場合
3.契約機関の名称変更の場合
4.契約機関の所在地変更の場合
5.契約機関の消滅の場合

 どちらの在留資格にも該当する場合、ご自身でどちらを申請していただくか決めていただけます。「日本人の配偶者等」の場合、就労制限がなく、スーパーでのレジ打ち等の単純反復作業でも就労することができ、無職でいても問題ありません。しかし、日本人の配偶者と婚姻していること、同居していることが条件となります。そのため、来日後、離婚した場合や離婚を前提に別居している場合は「日本人の配偶者等」に該当しなくなります。そのような状況となった時点から3か月以内に適切な在留資格への変更申請をするか、本国へ帰国するか選択する必要があります。

 「技術・人文知識・国際業務」の場合、エンジニアのような専門的な技術や知識を必要とするような職務内容で就労しなければなりません。あくまでも就労のための在留資格ですので、仕事を辞める場合には3か月以内に転職するか、他の適切な在留資格へ変更するか、もしくは本国へ帰国する必要があります。婚姻状況や配偶者との同居の有無はこの在留資格の要件と関係ないため、たとえ日本人と離婚しても在留資格上は問題ありません。

 現行の入管法19条の17は“別表第一の在留資格をもつて在留する中長期在留者が受け入れられている本邦の公私の機関その他の法務省令で定める機関は、法務省令で定めるところにより、出入国在留管理庁長官に対し、当該中長期在留者の受入れの開始及び終了その他の受入れの状況に関する事項を届け出るよう努めなければならない。”と定めています。(「技術・人文知識・国際業務」は別表第一の中に含まれます。)

 従ってこの届出はいわゆる“努力義務”であり、“法定義務”ではないため、具体的事情のいかんにかかわらず届出をしなかったことだけで直ちに法令等の不遵守と言えないので、通常は今後外国人の雇用に係る申請に影響を及ぼすとは考えづらいと言えます。

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