入管法上の身元保証人は、本人が日本で安定的・継続的に活動できるように、必要に応じて経済的保証や法令の遵守等の生活指導を行う事を法務大臣に約束する人と位置付けられています。保証事項について法的な強制力はなく、道義的責任といえます。保証事項を履行しない場合は、約束の履行を指導するに留まります。ただ、その場合、身元保証人の適格性が無いと判断される等、社会的信用を失う可能性もありますので、入管法上の身元保証人の内容を十分理解した上で、本人との信頼関係のもと、身元保証人として対応することをお勧めします。
在留資格「永住者」に在留期間(満了日)の定めはありません。そのため在留期間を更新する手続きは不要です。
ただ、在留カード自体には有効期間が定められています。16歳以上の「永住者」の場合は交付日から7年が有効期間です。有効期間の満了日の2ヶ月前から有効期間満了日までに申請をする必要があります。
16歳未満の「永住者」場合は、16歳の誕生日が有効期限です。16歳の誕生日の6ヶ月前から同誕生日までに申請をする必要があります
「永住者」のメリットやデメリットは、主観的な要素を含むため、ここではメリット・デメリットという記載はしませんが、以下、在留資格「永住者」とその他就労関係の在留資格(以下、「活動資格」)の違いを幾つか記載しますので、永住許可申請を検討する際のご参考にしてください。
<活動制限>
「永住者」・・・・制限なし
「活動資格」・・・制限あり ※許可を得た活動に限り行うことが認められる
<在留期間>
「永住者」・・・・制限なし
「活動資格」・・・制限あり ※但し「高度専門職第2号」を除く
<在留カードの有効期限>
「永住者」・・・・交付の日から7年間 ※16歳未満の者は、16歳の誕生日まで
「活動資格」・・・在留期間の満了日まで ※16歳未満の者は、在留期間の満了日又は16歳の誕生日のいずれか早い日まで
<在留資格に応じた活動を行っていない場合の在留資格取消の有無>
「永住者」・・・・なし
「活動資格」・・・・あり。
*取消の対象となる例
・在留資格に応じた活動を行っておらず、且つ他の活動に従事、
又は従事しようとしている場合
・在留資格に応じた活動を3月(「高度専門職第2号」は6月)
以上行わないまま在留している場合
他の在留資格から「永住者」になった場合は、「家族滞在」は在留資格上の該当性がなくなったため、速やかに本人の状況に応じて(当該在留資格の要件を満たした場合を前提として)「永住者の配偶者等」又は「定住者」に変更許可申請する必要があります。
① 「家族滞在」を有する配偶者
変更許可申請すべく在留資格: 「永住者の配偶者等」
② 「家族滞在」を有する実子
変更許可申請すべく在留資格: 「定住者」(審査基準第6号ニ)
③ 「永住者」になった後に日本で出生した実子
取得許可申請すべく在留資格: 「永住者の配偶者等」
④ 「永住者」になった後に外国で出生した実子
認定交付申請できる在留資格: 「定住者」(審査基準第6号ニ)
⑤ 「永住者」になった後に結婚した配偶者のみの「家族滞在」を有する実子
変更許可申請できる在留資格: 「定住者」(審査基準第6号ハ)
⑥ 外国在住養子(6歳未満かつ「永住者」の扶養を受ける者に限る)
認定交付申請できる在留資格: 「定住者」(審査基準第7号ロ)
なお、“申請すべく”とした理由については、例えば「永住者の配偶者等」の要件を満たさないのに、変更許可申請した場合は、一律に不許可されるのではなく、入管の審査によって「定住者」の要件を満たせば、「定住者」として許可されることもあるからです。
入管の審査基準は、「日本での在留歴「10年」のうち就労資格及び居住資格「5年」をしめていること」が永住申請するための基本的な年数の要件と定められているため、まだ日本で5年間の勤務が必要です。 主な在留資格で永住申請に必要な年数について下表にてまとめます。
在留資格又は身分等 | 年数要件 | +αの年数的要件 |
---|---|---|
「技術・人文知識・国際業務」,「研究」, 「教育」,「教授」,「企業内転勤」,「技能」, 「経営・管理」,「高度専門職」など | 継続在留10年 | 就労資格及び居住資格5年 |
「日本人の配偶者等」,「永住者の配偶者等」, 又はそれらの状況にある実態 | 継続在留1年 | 婚姻3年(配偶者の場合のみ) |
「定住者」 | 継続在留5年 | |
特例1:「高度専門職1号」 | 高度専門職ポイント 70以上継続3年 | 3年間1日も無職歴がない |
特例1:「高度専門職1号」 | 高度専門職ポイント80以上継続1年 | 1年間1日も無職歴がない |
特例2:その他の就労の在留資格 | 高度専門職ポイント70以上継続3年 | |
特例2:その他の就労の在留資格 | 高度専門職ポイント80以上継続1年 | |
「家族滞在」(通常の場合) | 原則、「日本人の配偶者等」と「永住者の配偶者等」と同様 | |
「家族滞在」(特例の場合) | 継続在留3年 |
まず、永住許可申請を行う際には、必ず身元保証人が必要です。しかしながら、身元保証人は、必ずしも日本人である必要はなく、「永住者」の在留資格を有する外国人でも問題ありません。よって、外国人のご友人や職場の上司や同僚の中に、すでに「永住者」となられている方がいれば、その方へ相談をされてみてはいかがでしょうか。
なお、身元保証人となるための要件は、日本人又は永住者であること以外には特にありませんが、身元保証書に記載の保証事項を万一の際に履行することができるだけの収入や資産が必要ですので、必然的に日本で十分な収入があり、また納税を含む公的義務を適正に履行している方であることが求められます。
また、入管法における身元保証人とは、必要に応じて当該申請人の経済的保証及び法令の遵守等の生活指導を行う旨を法務大臣に約束する人をいうため、身元保証人に対する保証事項履行に対する法的な強制力はありませんが、保証事項に対して十分な責任が果たされない場合は、以後の申請において身元保証人の適格性に欠けると判断されることがあり、社会的信用を失うことにも繋がるため、身元保証人には、道義的責任が課されていると言えます。
別の企業が契約機関となり申請・交付を受けた在留資格認定証明書(COE)は、有効期間が残っているか否かに関わらず、貴社で使用することはできません。通常、就労関係の在留資格の在留資格認定証明書上には、契約機関となる企業名が記載されており、その会社が認定申請を行った同一内容(労働条件等)で呼び寄せる際にのみ使用が認められます。
今回の場合は、貴社がその外国人の契約機関となり、新たに在留資格認定証明書交付申請を行う必要があります。この際、出入国在留管理局内では、その外国人が別の企業を通じて在留資格認定証明書の交付を受けた記録が残っているため、通常は、未使用の認定証明書を速やかに入国管理局へ返却するよう求められます。紛失等により返却ができない場合は、返却ができない理由を記載した事情説明書を提出します。
未使用の認定証明書を後から返却するケースでは、審査完了までに通常よりも審査期間がだいぶ長くなることが多いため、申請人が未使用の認定証明書がある場合や、もしくは貴社が契約機関となり交付を受けたものの内定キャンセル等により使用しない状況になった際には、その事情を説明するレターを添えて可能な限り出入国在留管理局へ返却を行うことが望ましいと言えます。