外国人雇用の基礎知識

外国人社員の給与計算 VOL.04

エクスパッツの取扱い

 1.源泉所得税と住民税

 海外の本支店や関係会社などに所属している従業員が、日本に出向や派遣などにより滞在する場合、一般的にエクスパッツと呼ばれ「企業内転勤」ビザを有しています。

 企業側の源泉所得税や社会保険料などの負担額、滞在期間がエクスパッツにより異なるため、住民税や課税区分、課税対象額なども変更されます。それぞれの日本滞在における給与などの処遇を正しく確認し、給与計算事務をおこなわなければなりません。

 2.グロスアップ計算

 エクスパッツは、企業側が税金や社会保険料相当額を手当として負担するケースがあります。これらは経済的利益として毎月の源泉所得税や社会保険料などの対象になります。

 経済的利益分の企業負担分を総支給額に加えたうえで、源泉所得税や社会保険料などを計算する必要があります。しかし、これらを加算することによりさらに源泉所得税や社会保険料などの対象額が増えます。したがって総支給額と源泉所得税や社会保険料などが整合性を保つまで反復計算をする必要があります。

 3.健康保険と厚生年金保険

 健康保険と厚生年金保険が適用されるか否かの判断は、日本企業からの給与支払いの有無が判断基準となります。日本企業から給与が支払われずに海外の企業から全額支払いを受けている場合は、給与計算の業務はありません

 エクスパッツの派遣もくしは出向期間が5年以内で、日本と社会保障協定が締結されている場合は、日本に勤務することが一時的なものとして、厚生年金保険への加入が免除されます。社会保障協定の内容は締結先国により異なりますので、健康保険も加入が免除される場合があります。

 4.労災保険と雇用保険

 労災保険は日本企業に指揮命令を受けて給与を支払われる場合は、“使用従属関係”があるとして加入義務が発生します。しかし、従業員負担の保険料はないため給与計算の実務は変わりません。

 雇用保険は「外国において雇用関係が成立した後に日本国内の企業で勤務し、雇用終了後は帰国することが明らかな者」は適用除外とされ、エクスパッツはこれに該当していました。しかし、現在はそのような取扱いがなくなり、“雇用関係”の有無で個別に判断するとしています。

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