1.就業規則の性格
就業規則は本来、企業内の就業上のルールを定めるものであり、企業側が一方的にその内容を決定し従業員に遵守を求めるものです。しかし、労働基準法が労働時間や賃金といった労働条件の記載を就業規則に求め、労働契約法は就業規則と労働契約の関係を規定しています。
外国人雇用においても日本人雇用と同様に、就業規則は労働契約の内容となるものであり、企業における最低労働条件を規定する性格となっています。
2.就業規則の作成義務
労働基準法により、常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成しなければならないとされています。これは外国人を雇用した場合も同様です。
外国人社員がいる場合、日本語で作成するかもしくはその外国人の母国語で作成するかまでは規定されていませんが、いずれにしても労働条件となる就業規則が外国人にも理解される必要性はあります。
3.就業規則と社員教育
就業規則は労働基準法により、書面で交付したり事業所内に備え付けたり、またはパソコンで閲覧できたりするようにして従業員に周知させることを規定しています。
就業規則により労働条件を明確にし、企業と外国人社員がこれらを遵守することにより信頼関係を築いていくためには、就業規則について外国人社員へ内容を十分説明して教育することが重要になります。
4.高度専門人材に対応する就業規則
高度専門人材である外国人を採用する場合、ビザ取得との関係で従事する業務が限られてきます。そのため、従来の日本人社員だけの就業規則では対応できない場合があります
外国人とは個別の具体的職務が労働契約の内容となるため、配置転換や職務変更など一律に労働条件を規定する就業規則になじまない場合がありますので、必要によっては就業規則を変更することになります。