1.1人の上司
組織の基本は“1人の上司”です。人的組織の強い組織は、“1人の上司”の「命令」「報告」の指揮命令系統が確立されています。自己主張がはっきりとして周囲に認められたいとする傾向が強い外国人社員へは、上司の“リーダーシップ”が必要です。
管理職の評価結果を変更するなど、経営幹部が管理職のリーダーシップのエネルギーを削ぐような行為をしてはいけません。評価結果を変えるようなことをすると、外国人社員は上司を飛び越え、部長や役員に評価されることを求めます。
2.合理的な調整
部長や役員の役割は、管理職の評価結果のあくまでも“調整”です。何らかの合理的な調整方法によって、各管理職から上がってきた評価結果を調整します。
主観や恣意的判断で調整を行うと、評価結果が合理性に乏しいものとなってしまい、外国人社員から「評価に納得がいかない」と詰め寄られたときに納得させる説明ができません。
3.フィードバック
評価の基準等を明確に示し公正な評価がしっかりと行われ、評価された社員が自分のどこがよかったか、またどのようなことに対して今後努力していけばよいのかなどを把握できるようにフィードバックすることは、継続的に改善していくために欠かせません。
外国人社員にとっても異文化の日本で業務を遂行するうえで「会社内にどのような印象を与えているか」「自分が会社でどのような役割を担っているか」などについて、客観的な事実を管理職から伝えることは、外国人社員の認識不足や不安解消にたいへん役に立ちます。
4.管理職の適正
部長や役員からみて、管理職の評価結果が「おかしい」と思うことがあっても決して評価を変更してはいけません。どうしてもおかしいのであれば、それは管理職の適正の問題です。
外国人社員の上司にあたる管理職には、外国人社員との信頼関係を欠かすわけにはいきません。評価結果を変更することは、その信頼関係を揺るがすことになります。