1.外国人社員との“信頼関係”
評価制度は公正でなければなりません。もちろん外国人社員に対しても同じであることは言うまでもありません。日本で働く多くの外国人社員は「日本人と差別されるのではないか?」「不当な評価をされるのではないか?」といった漠然とした不安を抱えているものです。
外国人社員を含む従業員のだれにでも公表することができ、納得性の高い制度を構築するには、評価者となる管理職と被評価者となる外国人社員とのあいだに“信頼関係”が必要です。
2.キャリア志向への理解
外国人社員は自分の能力を伸ばしてより高い成長を望むキャリアプランを抱いている者が多い傾向にあります。結果として自己の能力がどのように評価されるかは非常に重要な関心事といえます。
年齢、勤続年数や学歴といった身分固有的要件や能力的要件での評価方法だけでは、「自分の成果が正当に評価されていない」と感じてモチベーションを下げる結果を招いてしまう可能性があります。
3.モチベーションが高まるとき
外国人社員に限らず、従業員は「成果が正当に評価されていると気づいたとき」にモチベーションが高まります。外国人社員は一般的に自分を実際よりも過大評価しているケースがしばしばみられます。
そうした過大傾向にある外国人社員を公正に評価できるのは、仕事ぶりをもっとも近くで見ている上司です。上司にあたる管理職が外国人社員の公正な評価をすることができます。外国人社員には“公正な評価制度”が何よりも重要です。
4.成果主義の要素
職能資格制度は、役職による年功序列の資格制度だけではなく、職務遂行能力に基づく能力的要素を加味した評価制度として、現在多くの日本企業に定着しています。
これに対して欧米系は“職務”や“職種”という概念が明確になっており、それらに対して給与が決定され、職務評価や職種別熟練度を重視する成果主義が多く取り入れられています。
外国人社員の評価は、職能資格制度に加えて目標管理などの成果主義的要素を取り入れることも検討する必要があります。