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ビザ申請と実務

1.いろいろなビザ手続き

   ビザ手続きには様々なものがありますが、外国人社員を雇用する際に最も利用されるのは以下の3種類です。
①在留資格認定証明交付申請(海外から人材を招へいするときの手続き。)
②在留資格更新許可申請(ビザの期限を延長する手続き。)
③在留資格変更許可申請(ビザの種類を変更させる手続き。)
 ビザ手続きは厳格に期限が定められており、更新を忘れてしまうと自社の社員が不法滞在となってしまう可能性もあるため、慎重に行う必要があります。

2.海外からの招へい(「在留資格認定証明書」の交付申請)

   海外から外国人を日本に招へいする場合には、「短期滞在」で招へいする場合を除いて、一般的には日本国内で「在留資格認定証明書」の交付申請を行うこととなります。

 「在留資格認定証明書」とは法務大臣が発行する証明書のことで、 当該外国人が日本で行おうとする活動が上陸のための条件(在留資格該当性・基準適合性の要件)に適合しているかどうかについて法務大臣が事前に審査を行い,この条件に適合すると認められる場合に交付されるものです。

 通常は、この証明書をもって本国の日本大使館や領事館でビザ発給の申請を行えば、在留資格に関する上陸のための条件についての法務大臣の事前審査を終えているものとして扱われるため,ビザの発給は迅速に行われます。

 一方、この方法とは別に本国の日本大使館や領事館に直接ビザを申請する方法もありますが、ビザが発給されるまでに一般的にはかなりの時間がかかることになります。

 というのは、ビザ発給の申し出があると、現地の在外公館から日本の外務省に、そして外務省から法務省の入国管理局に事前協議が行われる事となります。そして、入国管理局では日本国内で事実調査を行った結果などをもとに、再び外務省と協議を行い、その結果が各在外公館に伝えられるためです。

 このように多くの役所や関係機関が連携して審査を進めるため、多くの時間が費やされてしますのです。そのため、現在では海外から人材を招へいする場合には、「在留資格認定証明書」を申請する方法が一般的です。

 「在留資格認定証明書」により日本に入国する場合は、外国人本人、受入れ企業や団体、在日親族、それに行政書士や弁護士などが日本の入国管理局で申請することとなります。そして、審査の結果、入国管理局から「在留資格認定証明書」が発行されると、その原本を本国にいる外国人本人に郵送します。本国で受け取った外国人は、写真や申込書などの簡単な書類と「在留資格認定証明書」の原本を持って日本大使館や領事館などにビザ発給の申請を行います。既に調査は終了しているものとして扱われるので、国により異なりますが通常は2~3日から数週間でビザが発給されます。

 そして、希望するビザが添付されたパスポートをもって、飛行機などで日本への入国を果たすことになります。空港や港での入国審査の際には、特別な事情が無い限り「在留資格認定証明書」に記載されている在留資格がそのままパスポートに添付され、そのまま希望する在留資格で日本に滞在できるようになります。

 このように便利な制度ですが、「在留資格認定証明書」が入国管理局から発行されたからといって、必ず日本への入国が保障されるわけではありません。通常はほとんどありませんが、発行後に本人が上陸拒否事由に該当する事が判明した場合や、大使館などで簡単な面接を行った結果、疑義があればビザが発給されないこともありますので、注意が必要です。

 また、在留資格認定証明書は発行後3ヶ月以内に日本国内に入国しないと失効してしまいます。予めスケジュールを確認してから申請したほうが良いでしょう。

3.ビザ変更(在留資格変更許可申請)

   在留資格の変更とは、現在行っている活動を打ち切って別の在留資格に属する活動を行なおう場合や、新しい身分や地位をもって在留しようとする場合に必要な手続きです。

 最も一般的な例は、留学生が日本の大学を卒業して企業に就職する場合で、このケースでは在留資格を「留学」から「人文知識・国際業務」や「技術」などに変更することになります。また、「技術」等の在留資格で既に就労している外国人が日本人と婚姻すれば「日本人の配偶者等」へと変更し、「日本人の配偶者等」で在留していた人が日本人と離婚した場合などには「定住者」へと変更するケースなどもあり、すべて在留資格変更に該当します。

 日本での外国人の在留活動が複雑化した結果、多くの人がこの制度を活用していますが、在留期間更新手続きと同様に、申請さえすれば必ず許可されるものではありません。それぞれの在留資格には在留資格変更に係る要件が設けられているため、仮に変更許可を申請しても要件を満たしていなければ当然に不許可となってしまいます。そのため、在留資格を変更する際には注意が必要です。

 また、在留資格変更許可を申請する時期ですが、現在の在留資格に定められた活動内容が変更された場合には、特別な事情が無い限り速やかに変更申請を行うものとされています。例えば、「技術」で「3年」の在留資格を持つ人が、在留資格の取得後に2ヶ月目で自分の会社を立ち上げたケースなどが考えられます。一般的には自分の会社をもつ場合は「投資・経営」に該当しますので、例え、残り2年10ヶ月ほど「技術」の在留資格が残っていたとしても、なるべく早く在留資格変更の申請をする必要があります。

 これを怠り、自分の会社を経営したまま「技術」の在留期限が切れる寸前に在留資格変更の申請をすると、2年10ヶ月ほど与えられている在留資格に認められていない活動を行なっていた事になってしまいます。そのため変更申請が不許可となることもあるので、注意が必要です。

4.ビザ更新(在留資格更新許可申請)

  日本に入国する際に与えられた在留資格には、「永住者」を除き、そのすべてに「在留期限」が設けられています。通常は、入国時より「1年」又は「3年」となっているものがほとんどですが、一部の在留資格では「3ヶ月」、「6ヶ月」といったものもあります。

 これらの在留期間を延長して引き続き日本での在留を希望する外国人は、在留期限が切れる前に最寄りの入国管理局・支局・出張所などで「在留期間更新許可申請」の手続きを行なわなければなりません。この手続きを行なわずに在留期間が過ぎてしまうと不法残留となり退去強制の対象となってしまいます。

 在留資格の更新については入管法で「法務大臣は、在留期間の更新を適当と認めるに足りる相当の理由があるときに限り、これを許可する事ができる。」と規定されているので、更新を申請すれば必ず許可されるものではありません。定められた活動範囲外の活動を行っていた場合や、犯罪による処罰を受けた場合などは、更新が不許可とされることもあります。通常では在留期限が切れる日の2ヶ月前から在留資格更新許可の申請を受付てくれます。

 よく間違われるのは、現在の在留期限内に更新の許可が降りなければ不法滞在になってしまうと言うものです。実際には、在留期限内に入国管理局で申請が受理されれば、不法滞在となる事はありませんので、仮に審査が長引いて結果が出るまでに現在の在留期限が過ぎてしまっても問題ありません。そのため、更新の申請をするのは在留期限が切れる当日でも良いことになりますが、万が一にも書類の不備などにより申請が受理されないと、そのまま不法残留する以外なくなってしまうので、在留期限まで2ヶ月を切ったらなるべく早く更新申請をしたほうがよいでしょう。

 また、一口に在留資格の更新といってもその内容は大きく2つに分けられます。1つは現在の在留資格と申請内容が同一で単なる更新となるもの。この例としては、「人文知識・国際業務」などで日本企業に雇用される外国人が、そのまま在留期限後も同じ企業、同じ職務内容で勤務し続けるケースです。この場合には比較的簡単に在留資格の更新が行えます。

 もう一つは、在留資格は変わらないが申請内容が変更されているもの。この例としては、「技術」などの在留資格で日本企業に雇用される外国人が、前回の在留資格を取得後に転職を行い、雇用される企業が変更されているケースです。職務内容は「技術」で変更ありませんので在留資格更新の申請となりますが、雇用されている企業が変わっているので、実質的には新規に在留資格を取るときと同じような申請となります。当然、提出する書類も増え、審査も厳しくなります。在留資格を更新する際にはなるべく早く準備をし、余裕を持ったスケジュールをたてることをお勧めします。

5.再入国許可

  苦労して日本での在留資格を取得したとしても、何も手続きをせずに日本から出国すると、原則としてその在留資格は無効となってしまいます。再び入国する際にはももう一度、在留資格認定証明書を申請しビザを取得し直すことになるのですが、これでは仕事で海外を飛び回るビジネスマンなどは不便で仕方がありません。

 そこで、日本を出国する前に「再入国許可」を申請しておくと、与えられた期限内であれば再びビザを申請する必要もなく、日本への再入国後も以前と同じ在留資格で入国することができるようになります。日本に居住する外国人が一時的に本国に帰国する場合や、業務上の理由で海外に出国する場合には、出発前に必ず再入国許可を申請しておく必要があります。

 ついうっかり申請するのを忘れて出国してしまうと、再びビザを申請して再取得しなければ入国する事ができません。どんなに急いで手続きを行ってもビザが再交付されるまでに1ヶ月以上はかかるため、ビジネスでは致命的な損失となりえますので注意が必要です。

 再入国許可には「数時有効」許可と「1回限り」の2種類があります。数時は定められた期限内であれば何回でも出入国が可能で、入国管理局に支払う手数料は6000円です。一方、1回限りの許可の手数料は3000円です。ビジネスではいつどんな急用で出国する必要が生じるかわかりませんので、常に数時の再入国許可を取得しておく事をお勧めします。

 再入国許可の申請は外国人登録を行っている居住地を管轄する入国管理局や出張所などで行います。通常は、外国人登録カードを持って備付の申請書に記載をすればその場で許可がもらえます。また、本人が病気や16歳未満の場合で申請しに行くことができない場合には、同居の親族等が代理で申請することも可能ですが、必用書類などが若干変わりますので事前に確認したほうがよいでしょう。

なお、再入国許可制度は近い将来に廃止され、新たに「みなし再入国許可制度(*)」が導入される予定です。

*みなし再入国許可制度

 入管法の改正により、現状の再入国許可制度は2012年7月15日までの政令で指定される施行日以降は廃止となります。代わりにより利便性を向上させた「みなし再入国許可制度」が導入される予定です。

①みなし再入国許可制度の導入
有効な旅券及び在留カードを所持する外国人で出国後1年以内に再入国する場合には、原則として再入国許可を受ける必要は無くなります。また、有効な旅券及び特別永住者証明書を所持する特別永住者については、出国後2年以内に再入国する場合には、原則として再入国許可を受ける必要は無くなります。

②再入国許可における有効期間の上限の伸長
再入国許可を受ける場合において再入国許可の有効期限の上限について、これまで「3年」から「5年」に伸長されます。また、特別永住者の方については、これまでの「4年」から「6年」に伸長されます。

6.資格外活動許可

   外国人が現在与えられている在留資格に該当する活動を行ないながら、その在留資格に許容されている活動以外の活動で報酬を受ける場合には、法務大臣の許可を得る必要があります。この許可の事を資格外活動許可と言います。

 具体的な例としては、日本の大学等に通うための在留資格「留学」をもつ外国人がアルバイトを行う場合や、日本企業に勤める外国人の配偶者など「家族滞在」の在留資格で滞在する外国人が報酬を得て通訳・翻訳の仕事をする場合などが挙げられます。

 資格外活動許可を取得すれば「人文知識・国際業務」や「技術」などの就労ビザのように特別な技能等を必要としない業務でもアルバイトが認められます。ただし、どのような業務でも認められるわけではなく、風俗営業については原則として資格外活動が許可される事はありません。

 また、在留資格が「留学」、「就学」の場合には一般的には包括的に資格外活動許可が与えられ、許可取得後にアルバイト先を変更したとしても許可を取り直す必要はありません。一方、在留資格「家族滞在」の場合には、アルバイト先を変更するごとに許可を取り直さなければならないので注意が必要です。また、資格外活動許可を取得してもアルバイトができる時間は在留資格ごとに定められています。

 在留資格「留学」で在留している外国人のうち、大学等の正規生と専門学校等の学生は1週間につき28時間以内のアルバイトが認められ、夏休みなどの教育機関の長期休業中は1日につき8時間以内であれば認められます。ただし、大学等の聴講生・研究生の場合には若干異なり1週間につき14時間以内までとなっています。そして、在留資格「就学」で在留している外国人の場合には1日につき4時間以内となり、「家族滞在」の場合には1週間につき28時間以内となっています。

 このような資格外活動許可を取得するにはパスポート、外国人登録証、雇用契約書などの活動状況がわかる書類を準備し、記入した資格外活動許可申請書と共に居住地を管轄する入国管理局に提出します。通常は2週間から1ヶ月程度で結果がでます。

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