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外国人新卒採用の留意点(2009/01/29)


外国人の新卒者を採用する企業が増えている。特に日本に留学する外国人が日本で就職する事例が増加、法務省入国管理局によると二〇〇七年には初めて一万人を突破した。もっとも、採用にあたっては、日本人とは事情の異なる面もある。何に留意すれば良いのか。就職情報会社、ディスコ(東京・文京)の綿井伸・HCビジネス本部副本部長に聞いた。

 ――外国人新卒採用の現状は。

 「中長期的な日本の労働人口の減少や企業のグローバル化志向の高まりを背景に増加傾向にある。約一万人という数は就業者数全体からみると大きくないが、ここ三年でほぼ倍増した。当社の調査によると採用実績のある企業は主要企業の約二割にのぼった」

 「海外の学校を卒業した人材を採用する場合、ビザ(入国査証)を得にくいという事情がある。さらに企業の多くは日本語が堪能という点を重視するため、日本の大学や大学院に留学する学生の採用を優先する企業が多い。国・地域別で見ると中国が全体の七割強、韓国、台湾が後に続く」

 ――留学生枠を持つ企業もある。

 「調査では留学生枠を持つ企業は一三%程度。国籍などを意識することなく優秀な学生を採用してみたら、外国人だったというケースが多いようだ。日本人と区別しない採用活動をしているわけで、外国人の就職戦線も昨今の雇用環境の影響を受けているようだ」

 ――外国人の採用ならではの留意点は。

 「一つはビザ。日本企業への就職が決まった外国人は在留資格を留学から就労に変更する必要がある。しかし学生が大学などで専攻した分野と従事する業種が異なると、変更が認められないケースがある。例えば大学での専攻が経済学なのにシステムエンジニアとして採用する場合などだ」
 「またビザの期間が人によって違うことや、更新手続きには費用が必要で、それを誰が負担するのかといった問題が生じる。このあたりの事情に通じている行政書士に相談するなどして対応する必要がある」

 「もう一つは労働契約。労働条件を書面で明確に明示することは当然だが、しばしば起きるのが企業側が将来、採用した外国人に出身国で管理職として働いてもらうことを想定しているケースでのトラブル。あいまいに将来の約束をして、現実には履行しなかった時にどうするかという問題が起きうる。キャリア形成については、あらかじめ一定のルールを作っておくのが望ましい」

 ――日本の企業文化や習慣を理解してもらうことが必要だ。

 「それだけでは円満な関係を築くのは難しい。採用する外国人のものの考え方に対する理解を深める必要もあるだろう」

 「例えば『この仕事ができるか』と聞かれたとき、大半の日本人は現時点でできるかどうかを答える。外国人は、今はできないけれど、三年後はできるだろうと考え、『できる』と答えることが多い。これがきっかけで相互不信が生じ、結果的に有能な人材を雇いきれない例をしばしば耳にする。自分たちを理解してもらうのと同様に、相手を理解することが重要だ」(聞き手は秋場大輔)

 綿井 伸氏(わたい・しん) 91年ディスコ入社。営業推進部、事業開発部、社長室を経て08年よりHCビジネス本部副本部長。40歳。

2009/01/29, 日経産業新聞

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