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研修生受入と事業協同組合

中小企業事業協同組合とは

 中小企業は、一般的に規模が小さいうえ、資金調達力や技術力の低さ、情報収集力の弱さなどのため、不利な立場に立たされている場合が少なくありません。そのため、中小企業者が互いに協力し、相互扶助の精神に基づいて共同で生産・加工・購買・販売等の事業を行い、経営の近代化・合理化、経営革新、経済的地位の改善向上を図るための組織が中小企業事業協同組合です。このように組織化することにより、経営の近代化と合理化を進め、結果として経営の安定と業界全体の改善発達を図る事ができます。

 設立には最低4人以上の発起人が必要であり、最近では、異なる業種の事業者が連携してこの事業協同組合を設立し、各々の組合員が蓄えた技術、経営のノウハウ等の経営資源を出し合って新技術・新製品開発、新事業分野・新市場開拓等をめざすものが増えています。また、国際化に伴って外国人研修生の受入れ事業を行う組合も増えています。

中小企業協同組合の事業例


①共同生産加工事業
  組合員企業が単独では購入できない高額な新鋭設備などを組合が購入し、その新しい生産・加工設備を用いて組合員が必要とする商品や材料などを生産・加工し供給する事業です。協同で加工することにより、効率化を図り原価を引き下げ、企画を統一することにより品質を向上させる事が可能となります。

②共同購買事業
  組合員が必要とする事業物資を組合がまとめて購入することにより、仕入先との交渉力を強化します。その結果、仕入れ値の引下げや代金支払方法などで有利な条件を引き出し、入手困難な原材料でも大量に取引することにより入手し易くなります。

③共同販売事業
  組合員の生産品などを組合がまとめて販売することにより、新規取引先の開拓や、有利な販売価格や決済条件などを引き出します。

④共同受注事業
  組合として業務受注をうけることにより信頼感を高め、新規取引先の拡大や有利な取引条件を引き出します。受注後に組合員に下請として業務を出す場合もありますが、組合員に直接業務を斡旋する場合もあります。

⑤共同保管事業
倉庫等を設け組合員の在庫品等を保管する事業ですが、保管経費の引下げ、製品の保全、施設難の解消等が図れるほか、下請業種等の場合は製品の納期の遵守にも役立ちます。特に、本事業は、腐敗・変質のおそれのあるもの、危険性のあるもので、保管に特別の技術・設備を要する場合などに効果的です。

⑥共同運搬事業
組合員の商品等の運搬を共同で行う事業ですが、組合が運搬車両を保有して行うほか、特定の運送会社に委託する方法などもあります。この事業は、運搬経費の引下げ、運搬物の保全をねらいとしていますが、貨物量が多く、運搬に特別の注意が必要とされ、または運搬距離が長い場合などに行います。

⑦共同検査事業
組合員の製品、設備、原材料等について、その品質・性能、仕事の完成状況などを検査する事業です。これによって、品質の維持・改善・規格の統一、仕事内容の評価を高めることができます。また、検査の方法は、組合が直接検査するほか、公設試験研究機関に委託する方法もあります。

⑧共同試験研究事業
組合員の事業に関する様々なテーマについて研究開発を行う事業で、その実施は、組合が試験研究施設を設置して自ら行う方法と、公設試験研究機関に委託する方法とがあります。これによって、製品・技術・意匠・作業方法・販売方法の改善・開発などが図れます。

⑨市場開拓・販売促進事業
  販売促進のために行う事業で、共同宣伝・広告、見本市・展示会の開催、市場の調査、共同マークの制定、共同売出し、環境整備、クレジット事業などがあります。個々の組合企業が単独で行うと品揃えが揃わなかったり採算が合わないこともありますが、共同して行うことで実現できます。

⑩共同利用設備提供事業
機械・工具、試験設備、運搬設備、会議室等を設置し、これらの施設を組合員に利用させる事業ですが、組合員に貸与する方法と、組合に来て利用して貰う方法とがあります。これによって、新鋭機械など組合員の導入困難な施設等の利用が可能となるとともに、経費の節減が図れます。

⑪金融事業
組合員の事業資金の調達を目的とする事業です。組合が金融機関から資金を借り入れ、これを組合員に貸し出す方法と組合員が金融機関から直接借り入れる際に組合が保証する方法があります。組合と組合員のための金融機関として商工組合中央金庫があります。

⑫債務保証事業
組合員が顧客や仕入先等と取引きする際に組合がその取引の債務を保証する事業です。これによって、組合員の取引の円滑化と拡大を図ることができます。保証する債務の内容としては、仕入代金の支払保証、商品・製品の品質保証、工事や製品のかし保証等組合員の取引に関する様々な債務を対象とすることができます。この事業は、組合が債務保証することによってリスクを伴うので、保証準備金を組合に積立て、財政基盤や実施体制等を十分整える必要があります。

⑬福利厚生事業
組合員の私生活面の利益を増進するための事業で、健康診断、慶弔見舞金の支給、親睦旅行、レクリェーション活動などがあります。この事業は、組合員の融和、組合への参加意識、帰属意識、協調性の高揚等に効果があります。

⑭経営環境の変化に対応する新たな事業
組合の共同事業は、時代の変化に対応して新しい事業が生まれています。公害問題に対応する共同公害防止事業、工場・店舗等の集団化事業、業界や組合の将来ビジョンの確立、OA機器を利用した管理システム、デザイン・商品の研究開発、情報化社会への対応、顧客サービスセンターの設置等の共同事業です。
また、最近は、異業種の中小企業が結びつき、互いの技術やノウハウ等を提供し合って新技術・新製品を研究開発する融合化や地球の温暖化、廃棄物、フロン等のエネルギー環境問題への対応、国際化の進展に伴う外国人研修生の共同受入事業も注目されています。

株式会社と組合の違い


①組織の構成要素
株式会社は資本中心の組織であるのに対し、組合は組合員という限定された人を組織の基本としています。組合では、組合員1人の出資額が原則として総額の4分の1までに制限されていますが、会社にはそのような制限はありません。総会における議決権・選挙権は、会社では各株主がもっている株式数に比例した数となるため、多数の株式を所有する株主の意向による会社運営がなされますが、組合では各組合員の出資額の多少にかかわらず1人1票となっています。

②配当の制限
会社は利潤をあげて株主に利益を配当することを目的とする営利法人ですから配当は無制限に行えますが、組合は相互扶助を目的とする中間法人であり、組合事業による剰余金を配当する場合には、各組合員が組合事業を利用した分量に応じて配当する事業利用分量配当を重視して行うことが配当の基準になっています。また、出資額に応じて行う配当は、年1割までに制限されています。

③組織の目的
組合は組合員が自ら組合事業を利用することにより、組合員の事業に役立つことを目的としていますが、会社にはこのようなことはありません。組合は、組合員の事業を共同事業によって補完(支援)することを目的としており、その事業は組合自身の利益追及ではなく、組合員に直接事業の効果を与えることを目的として行われます。また、組合の事業活動が特定の組合員の利益のみを目的として行われることは、相互扶助の観点から原則として許されません。

設立までの流れ


(1)発起人による創立総会議案の作成

 組合員になろうとする者が4人以上集まり、発起人として組合の設立を行います。これらの発起人が地区内の有資格者に対し、設立目的や事業計画書が記載された設立趣意書を示して行い、設立同意書と出資引受書により設立の同意等を得て設立同意者を募集します。次に、創立総会で決議する定款、事業計画、収支予算などの議案を作成した上で、創立総会の日時・場所等を決め、同意者に通知するとともに会日の2週間前までに公告することにより、創立総会を開催します。

(2)創立総会の開催

創立総会は、設立同意者の半数以上が出席し、1人1票の議決権で総議決権数の3分の2以上の多数で以下のような事項を決議します。その後に、選任された理事で理事会を開催し、代表理事等を選任することになります。
 ①定款  
 ②初年度および次年度の事業計画
 ③初年度および次年度の収支予算
 ④賦課金の賦課・徴収方法
 ⑤初年度における借入金の最高限度額
 ⑥初年度の組合員に対する貸付金額および保証金額の最高限度額
 ⑦手数料、使用料、貸付利息および保証料の最高限度額
 ⑧加入金額
 ⑨創立総会において選任された役員の任期
 ⑩取引金融機関
 ⑪組合の負担に帰すべき創立費の額および償却の方法
 ⑫関係団体への加入
 ⑬役員選挙
 ⑭組合事務所の位置の決定
 ⑮各種規約
 ⑯字句の一部修正委任

(3)認可申請

 創立総会が無事に終了すると、次は許認可庁へ認可申請をすることになります。組合員がすべて同一県内にある場合には、原則として、都道府県知事が認可庁となります。また、多府県にまたがる場合には経済産業省がなることが多いですが、組合員の業種によっては農林水産省や国土交通省などが認可庁となることもあり、複数の許認可庁に申請するケースもあります。

(4)認可の取得

 認可が下りた場合には、発起人はその業務を理事に引き継ぎ業務は終了します。また、出資の払い込みを行い、払い込みから2週間以内に管轄する法務局に事業協同組合設立の登記を行うこととなります。

(5)成立届けの提出

 設立登記の完了後、2週間以内に登記簿謄本などの必用書類を行政庁に提出し、事業協同組合に設立手続きが終了し、事業活動を開始することができるようになります。

組合の管理と運営


 組合の意思決定や業務の執行を行うための組織には、総会、理事会、役員等の機関が定められているほか、必要によって委員会などの任意機関を設けることもできます。総会は、組合運営等に関する基本的事項を決定し、その総会の決定に基づき、理事会が業務の執行を決定します。そして、理事会の決定に基づいて代表理事が事務局を使って業務を執行します。

 また、監事は、決算書類などについて会計監査をします。なお、任意機関である委員会・部会は、理事会等の諮問機関として理事会等が業務方針等を決定する際の参考意見を提供します。また、専務理事・常務理事は、代表理事の業務執行を補佐し、常務を行います。

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