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新たな在留管理制度

研修生受入れの不正行為と処罰

 研修生・技能実習生に関する不正行為について法務省が公表した「研修生及び技能実習生の入国・在留に関する指針」には次のように記載されています。

 研修・技能実習は全般的に適正に実施されていますが,制度の趣旨を十分に理解せず,研修生に所定時間外の活動や休日に作業をさせたり,日本語教育等所要の非実務研修を計画のとおり実施しないといった不適切な事例も見られます。

 入国管理局では,このような研修・技能実習に関する不適正な取扱いを「不正行為」等として次のように類型化し,該当機関に対しては研修生の受入れ停止等の措置を執ることとしています。

「不正行為」の具体的内容

・二重契約
在留資格認定証明書交付申請時に提出された研修契約と異なる契約が存在する場合などです。

・研修・技能実習計画との齟齬
非実務研修(座学研修等)を実施しないにもかかわらず,当該研修を実施する旨の研修計画書を提出したような場合などです。

・名義貸し
 申請書類上に記載された研修生・技能実習生の受入れ機関とは別の機関が研修・技能実習を行っている場合です。

・虚偽文書の作成・行使
受入れ機関の常勤職員数に偽りがあった場合や地方入国管理局に対して行う監査報告書の内容が実態と異なっていた場合などです。

・研修生の就労活動
研修生に所定時間外,休日等に活動を行わせるなど,研修ではなく就労活動と認められる行為をさせていた場合です。

・研修手当の不払い・人権侵害
研修生及び技能実習生に対し,研修手当の不払いや直接払い違反,暴行・監禁,旅券・外国人登録証明書の取り上げ等悪質な人権侵害行為を行っていた場合です。

・監理の懈怠
研修生及び技能実習生の失踪等問題事例が発生した事実を地方入国管理局等に対し届け出ていなかった場合や研修事業主体が必要な監査報告を怠っていた場合です。

・違法な形態による外国人の雇用
第二次受入れ機関及び実習実施機関において,不法就労者を雇用するなど外国人の就労に係る不正な行為を行った場合です。

・その他
後ほど述べる「不正行為に準ずる行為」に認定された後,改善策を提出して受入れを再開したものの,再度同様の問題を生じさせた場合です。


「不正行為」にあたると判断された場合の取扱い

・帰国指導
「不正行為」があったと認定されたときは,その「不正行為」を行った研修事業主体・第二次受入れ機関又は実習実施機関(以下「不正行為機関」といいます。)の経営者又は管理者に対して,現に受け入れている研修生・技能実習生を在留期間内に帰国させ,帰国後地方入国管理局等に対し速やかに報告を行うよう指導します。ただし、不正行為と認定された理由に関して研修生等に責任がなく、研修・技能実習制度の趣旨に沿った適正な研修等の実施体制及び我が国で修得した技術・技能又は知識を帰国後に活用できるような体制の確保がなされるなどした場合には、引き続き在留することが認められることがあります。

・新規研修生の受入れ停止
「不正行為」にあたると判断された場合は,3年間研修生・技能実習生の受入れを行うことができません。

・改善措置の提出
「不正行為」があった場合,その後3年以内は研修生及び技能実習生の受入れを認めないこととしてますが,3年を経過した後であっても,問題再発のおそれがなく,受入れ機関に改善策の提出を求めた上で適正な研修の実施が見込める場合に限り,研修生を新規に受け入れることができます。不正行為に準ずる行為上記「不正行為」に該当するものの,悪質性が少ないものなどについては,「不正行為に準ずる行為」として認定することとしています。

「不正行為に準ずる行為」に認定された場合は,受入れ機関に対し改善策の提出を求め,適正な研修及び技能実習の実施が可能であると判断されるまで,研修生及び技能実習生の受入れを認めない措置をとることとしています。

1 研修事業主体とは,法務省の告示により要件の緩和を受けて研修の受入れの事業を行う中小企業団体などをいいます。

2 第二次受入機関とは,研修事業主体の下で,研修を実施する企業などをいいます。不正行為等の類型 入国管理局では,研修・技能実習に係る不正な行為を行った受入れ機関に対して,その行為が悪質と認められた場合には「不正行為」と認定し,悪質とまでは認められず今後の改善が見込まれる場合には「不正行為に準ずる行為」と認定しています。

「不正行為」と認定された受入れ機関は,「研修」の在留資格に係る基準省令第8号に基づき,認定後3年間,研修生を受け入れることができません(技能実習告示第一の3の五にも,同様の規定があります。)。

  また,「不正行為に準ずる行為」と認定された受入れ機関は,改善策を提出し,適正な研修・技能実習の実施が可能と判断されるまで,研修生・技能実習生の受入れを認めない措置をとることとしています。

(1)不正行為

■ 第1類型①(二重契約)
在留資格認定証明書交付申請時に提出された研修契約と異なる契約が存在する場合をいいます。 また,技能実習の雇用契約について二重契約がある場合も同じです。

■ 第1類型②(研修・技能実習計画との齟齬)
非実務研修(座学研修等)を実施しないにもかかわらず,当該研修を実施する旨の研修計画書を提出したような場合が典型例です。 ただし,記載内容と実態との齟齬が申請の許否を左右する程度である場合に限ります。 技能実習については,研修成果の評価において受験した技能実習対象職種と異なる職種に従事させていたような場合が考えられます。

■ 第1類型③(名義貸し)
申請書類上に記載された研修生・技能実習生の受入れ機関においては研修・技能実習を実施せず,ほかの機関が研修・技能実習を行っている場合です。名義を借りた機関及び名義を貸した機関の双方に不正行為が成立します。

■ 第1類型④(虚偽文書の作成・行使)
例えば,申請時に申告された受入れ機関の常勤職員数に偽りがあった場合や研修告示に規定する「国又は地方公共団体の援助」があることを証する文書を偽造し,又は偽造文書を行使したような場合です。地方入国管理局に対して行う監査報告書の内容が実態と異なっていた場合及び監査が実施されていなかった場合等も含まれます。 ただし,その虚偽記載の内容が申請の許否を左右する程度である場合に限ります。

■ 第2類型(研修生の所定時間外活動等)
研修生に所定時間外,休日等に活動を行わせるなど研修ではなく就労活動と認められる行為をさせていた場合です。

■ 第3類型(研修手当の不払い等・人権侵害行為)
研修生及び技能実習生に対し,研修手当の不払いや直接払い違反や暴行・監禁,旅券・外国人登録証明書の取り上げ等悪質な人権侵害行為を行っていた場合です。

■ 第4類型(問題事例の未報告・監理の懈怠等,刑事事件に発展した問題事例等)
研修生及び技能実習生の失踪等問題事例が発生した事実を地方入国管理局等に対し届け出ていなかった場合や第一次受入れ機関が告示で定められた監査報告を怠っていた場合です。 届出が行われた場合であっても,問題事例が外国人による刑事事件等研修及び技能実習制度に対する信頼に重大な影響を与えるような場合や,失踪事例のうち,前1年間に受け入れた研修生・技能実習生のうち2割(前1年間に受け入れた研修生・技能実習生が50人未満である場合にあっては,10人)以上が失踪し,不法残留していて,それが研修及び技能実習の実施体制等に起因すると認められる場合については,不正行為となります。

■ 第5類型(違法な形態による外国人の雇用)
研修実施機関・技能実習実施機関において,不法就労者を雇用したり,労働関係法規に違反した形態で外国人を就労させた場合等外国人の就労に係る不正な行為を行った場合です。

■ 第6類型(不正行為に準ずる行為の再発生)
下記(2)で述べる「不正行為に準ずる行為」に認定された後,改善策を提出して受入れを再開したものの,再度同様の問題を生じさせた場合です。

(2)不正行為に準ずる行為

■ 第1類型
研修及び技能実習に係る提出書類の内容と相違する研修・技能実習が実施されている場合です。 例えば,非実務研修(座学研修等)の時間が当初の計画よりも少ないような場合です。

■ 第2類型  
研修生に所定時間外,休日等に活動を行わせていたが,専ら就労活動を行っていたと認めるまでには至らないような場合です。

■ 第3類型  
研修生及び技能実習生に対する人権侵害行為があったものの,今後の改善が見込まれる場合です。■ 第4類型
研修生及び技能実習生の失踪等問題事例が発生した事実を地方入国管理局等に届け出ている場合で研修及び技能実習制度の適正な運用を重大な支障を来たすおそれがない場合や,失踪事例のうち,前1年間に受け入れた研修生及び技能実習生のうち2割(前1年間に受け入れた研修生・技能実習生が50人未満である場合にあっては,10人)未満が失踪しているような場合です。

■ 第5類型  
研修における第二次受入れ機関が不正行為を行ったことが認定された場合,これに伴う第一次受入れ機関の監理責任を問うこととし,不正行為に準じた扱いとします。他方,第一次受入れ機関が不正行為を行ったときは,その第二次受入れ機関はその不正行為に対する第二次受入れ機関自体の帰責性がある場合に,不正行為に準じた取扱いとします。不正行為の特徴

■ 「不正行為」認定機関数(年別)  
平成15年から平成17年末までに「不正行為」認定された受入れ機関は482機関に及び,その内訳は,企業単独型受入れ機関(以下,「企業単独」という。)が12機関,第一次受入れ機関(以下,「第一次」という。)が56機関,第二次受入れ機関(以下,「第二次」という。)が414機関(全体比約86%)となっている。

「不正行為」認定機関数
企業単独型
第一次機関
第二次機関
小計
平成15年
5
11
76
92
平成16年
2
28
180
210
平成17年
5
17
158
180

※1 企業単独型受入れ機関とは,「研修」の在留資格に係る基準省令第6号イ,ロ及びハの規定により受入れを行う企業などをいいます。
※2 第一次受入れ機関とは,研修法務省の告示により要件の緩和を受けて受入れを行う中小企業団体などをいいます。
※3 第二次受入れ機関とは,第一次受入れ機関を主体とする研修事業の下で研修を実施する企業などをいいます。
■ 不正行為」認定機関の業種別比較 
○ 企業単独
「不正行為」認定を受けた企業単独12機関について,その業種別内訳は,「鉄鋼・金属」,「建築・土木」,「食品加工」が各2機関などとなっている。

○ 第一次(団体管理型)
  「不正行為」認定を受けた第一次56機関について,その形態別内訳は,「協同組合」が55機関,「商工会」が1機関となっている。

○ 第二次(団体監理型)
 「不正行為」認定を受けた第二次414機関について,その業種別内訳は,「縫製」が120機関(29.0%)と最も多く,以下,「畜産農業」が65機関,「耕種農業」が54機関,「食品加工」が43機関,「鉄鋼・金属」が29機関などとなっている。 また,「縫製」と「畜産農業+耕種農業」とで全体の過半数(239機関,57.7%)を占めている。

■ 「不正行為」認定の類型別比較
 ○ 企業単独
  企業単独に適用した「不正行為」の類型を見ると,全12機関のうち10機関(全体比83.3%)が,「第2類型(所定時間外活動)」の認定を受けている。   

 ○ 第一次(団体監理型) 第一次に適用した「不正行為」の類型を見ると,全56機関のうち,「第1類型④(虚偽文書の作成・行使)」が51機関(91.1%)と最も多く,以下,「第1類型②(研修・実習計画との齟齬)」が33機関,「第1類型③(名義貸し)」が15機関などとなっている。  

 ○ 第二次(団体監理型) 第二次に適用した「不正行為」の類型を見ると,全414機関のうち,「第1類型③(名義貸し)」が218機関(52.7%)と最も多く,以下,「第2類型(所定時間外活動)」が175機関,「第1類型②(研修・実習計画との齟齬)」が106機関,「第5類型(不法就労者の雇用等)」が60機関と続くが,「企業単独型」と異なり,「名義貸し」が最も多くなっている。





不正行為認定の類型別内訳
 
企業単独
  (12機関)
第一次
  (56機関)
第二次 
 (414機関)
認定数全体比認定数全体比 認定数全体比
第1類型①
(二重契約)
325.0%58.9%225.3%
第1類型②
(研修・技能実習計画との齟齬)
758.3% 3358.9% 10625.6%
第1類型③
(名義貸し)
18.3%1526.8% 218 52.7%
第1類型④
(虚偽文書の作成・行使)
866.7%51 91.1%378.9%
第2類型
(所定時間外活動等)
1083.3%712.5%17542.3%
第3類型
(人権侵害行為等)
650.0% 58.9%42 10.1%
第4類型
(問題事例未報告等)
18.3%47.1%6 1.4%
第5類型
(不法就労者の雇用等)
325.0%00.0%6014.5%
第6類型
(準ずる行為の再発生)
0 0.0%00.0%00.0%

※ 一つの受入れ機関が,複数の類型をもって不正行為認定される場合があるため,認定数と不正行為認定機関数は一致しない。※ 網掛け部分は,各受入れ機関において最も多く認定されている類型である。

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